企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【契約審査】契約締結者の確認について/地味であるものの、決しておろそかにできない点

1.契約相手方の概要の確認 先日の記事で、契約相手方のHPをざっと確認することは述べたかと思う。私にとってこれを行う理由は、自社の取引先の概要や事業内容を知ることは、「自社がどのような会社と取引を行っているか」を把握することになり、結局は自社を知ることにもつながるためである。転職者である私は、プロパー社員と比べて自社に関する知識はどうしても劣る。それならば、契約審査という業務を通じて、自社の事を少しでも知るように努めている。 2.珍しいといえば、珍しいケース ところで、先日このような事があった。ある会社が提示してきた取引基本契約書の契約締結者として、同社の取締役専務A氏が指定されていた。しかし、いつものとおり、相手方のHPを見ると、同社の取締役専務は全く別人のB氏となっている。「おや?」と思い、念のため法務局が提供している登記情報サービスでその会社の登記事項証明書を確認してみると、なんとA氏は数年前に辞任していた。つまり、相手方はすでに辞めた役員名を契約締結者として取引基本契約を締結しようとしていたのである。相手方もなんともいいかげんな会社だ(笑)。当然ながら、私は営業担当者を通じて、「A氏はすでに貴社取締役を辞任しております。現在、貴社を適切に代表する権限を有する方に契約締結者を変更して下さい」と要請した次第である(もっとも、このようなケースはそんなに頻繁に起こらないと思うが)。 3.契約締結者の確認方法について とはいうものの、契約書に記載された契約者が間違いなくその権限を有しているか否かについての確認手段には、限界があるのも事実なのだ。今回は、相手方が役員クラスを契約締結者として提示してきたため、相手方のHPや登記事項証明書を参照することによりその適否を確認できた。しかし、部長クラスとなると、社外からはもはや把握しようがない。巷の契約本では、①やはり相手方の代表取締役と契約するべき、②役員以外の者と契約する場合には、会社がその者に契約締結権限を付与した旨の委任状を入手すべき、などと記入されているが、実務上はなかなか理屈どおりに進めることは困難なのが実状だ(委任状を発行してくれる会社はそうそうない)。 私としては、営業現場に対しては、「相手方の契約締結者は、原則として代表取締役が望ましいです。例外として、登記事項証明書に記載されている役員クラスならば、まだ許容はできます。ただし、部課長クラスとはあまり大きな契約は締結しないようにして下さい」と呼びかけている。もっとも、商法25条では部課長クラスの社外代表権が定められており、理屈上はこれらの役職者が契約できないこともない。ただし、その証明力の観点より実務運用はなかなか難しいところがあるのだ。 いずれにせよ、自社における契約締結ルールの整備にも取り組む必要があると考えている私である。 「人気ブログランキング」参加中です!1クリックお願いします! にほんブログ村 サラリーマン日記ブログ 戦うサラリーマンへ
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