企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【書評】「自動車保険金は出ないのがフツー」加茂隆康(幻冬舎)/保険会社との交渉経験がある私もすこぶる共感

先日読んだのが、こちらの書籍。

著者は交通事故案件を多く手掛ける弁護士で、損害保険会社との交渉や訴訟を多く経験。自らのエピソードを引用して、保険会社と交渉する際のポイントを紹介しており、勉強になる。まして、私の場合、昨年妻が被害者になった交通事故案件で某大手損害保険会社と半年近くの交渉を経験済み。あのときは、人生初の経験で大変苦労したが、最終的には一応満足できる結果で終わらせることができた。

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従って、本書には、自動車保険金交渉の経験者である私が共感できる部分が多く見受けられる。

保険会社は、自賠責基準または弁護士会基準(自賠責の1.5~2倍の金額)やうち、自賠責基準の支払いで済ませようとする。

これは全くそのとおり。当初、保険会社はまず見舞金10万円を私に提示してくれたが、それだけ。妻が通院が終了しても、なかなか自賠責基準の支払いすら提示してこなかった。

弁護士をつけると保険会社の態度が変わる。出るところに出ないと、支払いを渋られる。

これもそのとおり。最初は、「そのような支払義務はない」と慰謝料の支払いを渋っていた保険会社だが、私が正式に弁護士を選任して、弁護士会基準の金額を請求すると、拍子抜けするくらいあっさりと支払に応じてくれた。

 
今にして思えば、あの時の保険会社と私のやりとりは、まるでキツネとタヌキの騙しあいのようで、保険会社の本音としては、相手方が無知の場合、できる限り支払いをおさえたかったのだろう。そうさせないためには、こちらも知識武装した上、使えるものは使って、したたかに交渉する図太さが必要。まるで漫画「クロサギ」を地でいくような双方の駆け引きが要求される。

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ただ、保険会社の社員の立場にたてば、(自分ではなく)他人が引き起こした自動車事故について、様々な当事者の利害関係を調整しながら、被害者のクレームにも耐え、上司の指示(=「なるべく保険金の支払いを渋れ」)にも従いつつ、解決をはからなければならない。これはなかなかストレスのたまる仕事だろうし、個人的には同情できないこともないが・・・。
それにしても、保険会社にしてみれば、すんなりと言いなりにならず、独自に動いて弁護士を選任した上、保険金を請求してくるやっかいな客(=私)は、さぞかしうっとしい相手だったろう。ただ、私にしてみれば、家族を守るために必死だったわけで、保険会社には運が悪かった(?)として、あきらめてもらうしかない。