珍しく寒さがまだ残っているが、桜が咲く季節になった。4月の新年度を迎えて、通勤電車の中でもスーツを着こなれていない初々しい若者たちを見かける。その胸中は新しい環境に希望と不安が満ち溢れているだろう。そういえば、自分がこんな感じだったのはいつぐらいのことだろう?
さて、自社にも新入社員が入社している一方で、社内イントラで発表される人事情報を確認すると、若手人材の退職も一定数見受けられる。気のせいか、コロナ禍に入ってから特に目立ってきたような・・・。コロナ禍で先行き不透明な中、「自分は本当にこの会社でこの仕事を続けていきたいのだろうか?」と悩める人が増えているのかもしれない。まあ、複数の転職経験がある私もかつては同じ思いを抱いたことがあるので、気持ちはよくわかる。
一方で、私ぐらいの年齢になると転職はリスキーになってくるのも事実。さすがにノリで転職するわけにいかず、自分のキャリアとライフプランと生涯賃金とシビアに考慮せざるを得ない。まあ、ブログ用のネタとして、企業法務担当者の求人内容は時折チェックしているが、もし実際に転職した場合、年収ダウンはほぼ確実。とすると、家族持ちの私にとって転職するメリットはそれほどなく、経済合理的に考えれば、このまま定年まで在籍した方が生涯賃金的にはお得。もちろん、会社の業績が悪化すれば、そうも言ってられないが・・・。
しかし、IRで公開される自社の決算短信や有価証券報告書を確認する限り、自社は堅調な業績が続いている。さすがにこの年齢になると、仕事に夢やロマンだけを求めるのではなく、会社とは自分と家族が生きていくためのツールという現実も直視せざるを得ない。
だからといって、完全に守りの姿勢に入るのはプロのビジネスパーソンとしては失格。これからも、企業法務のプロフェッショナルとして、自分を高めていくという攻めの姿勢は持ち続けたい。