企業法務担当者のビジネスキャリア術

氷河期世代の企業法務担当者がライフログとして日々の出来事を記録しています。2009年に開始したブログは17年目を迎えました。

【進化するコンプライアンスと順応力】「ゴジュウジャー」女優降板の裏側:たった一度の「20歳未満飲酒」がキャリアを奪う時代

1.スーパー戦隊史上前代未聞の出来事!?

以前にスーパー戦隊シリーズ(テレビ朝日系)が来年で終了することについて触れた。
その後、このようなニュースを知って少し驚いた。
 
 
現在、放送中のスーパー戦隊「ゴジュウジャー」のゴジュウユニコーン役の女優(19歳)について、飲酒の事実が発覚し、急遽降板。当人は事務所との契約も打ち切られ、急遽代役を立てることになったとか。おそらく事務所と当人のタレント契約書の解除条項に基づき迅速に処理された結果だろう。当人には酷な結果となってしまったが、今のコンプライアンス重視の風潮では致し方ない面もあるのかも。
 

2.変わった「当たり前」:昭和・平成と令和のコンプライアンス格差

確かに20歳未満の人はお酒を飲んではいけない法律もあり、お酒のCMでも必ず小さい注意書きが表示されている。しかし、正直なところ、これが数十年前、昭和や平成の時代ならば、ここまで厳格な対応にならなかったかもしれない。
 
 
私自身が大学生だった頃のコンパでは、20歳未満の者も当たり前のように飲酒していた時代があった。これはもちろん「よくないこと」だが、当時は今ほどコンプライアンス意識が社会全体で醸成されておらず、悪質な一気飲み(アルコールハラスメント)なども横行していたように記憶している。
 
これは、飲酒の問題に限らず、当時の社会全体がまだ「未熟」であったことの証左だろう。例えば、「24時間戦えますか!?」という栄養ドリンク剤のCMが流行していたように、サービス残業やパワーハラスメントが、ある種「企業の活力」として見過ごされていた側面も確かに存在していた。もちろん、その陰では被害者として傷ついた人も多くいたはず。
 

3.組織と個人に求められる「適応力」

ところが、この5年、10年という短期間で、企業のコンプライアンス意識は劇的に高まりを見せている。これは、数々の社会的な問題が表面化し、市民の意識と監視の目が厳しくなった結果に他ならない。そして、この「ゴジュウジャー」の降板騒動は、タレント事務所であろうと、「20歳未満飲酒」という単純なコンプライアンス違反一つで、契約解除という厳しい判断を下す時代になったことを象徴しているような気がする。
 
つまるところ、この変化の激しい時代において、組織も個人も肝に銘じるべきは「環境変化への順応力」。例えば、進化論で有名なダーウィンの言葉に、次のような名言がある。
 
「最も強い者が生き残るのでもない、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である
 
これは、生物が環境の変化に適応する能力を持つものが生き残るという進化論の核心を表しているが、ビジネスの世界や個人の処世術にもそのまま当てはまる。社会のコンプライアンス意識が「常識」として進化し続けている今、過去の緩い基準に囚われ続ける組織や個人は、淘汰されていく運命にあるのかもしれない。私たちは、この急激な変化を「息苦しい」と捉えるのではなく、「より健全な社会へ向かう進化」して受け入れ、自らの行動基準をアップデートしていくことが求められているのではないか。
 
いずれにせよ、コンプライアンス意識が高まるということは、これから企業法務担当者の需要がますます強まっていくだろう。実際、この職種における年収水準も年々上昇傾向にあるとか。その結果、企業法務担当者がもっと活躍する世の中になってほしいと心より願っている。