1.年初のイベント
以前に紹介したとおり、私は毎年、年初に自分自身のクレド(Credo)を更新している。
この習慣を始めたのは2014年のことだから、気がつけばすでに12年が経過したことになる。振り返ってみると、よくもまあここまで続いたものだと思うし、正直なところ、始めた当初はここまで長期的な取り組みになるとは想像していなかった。
そもそもクレドを書き始めたきっかけは、「人生で何を大切にして生きていくのか」を言語化したいという、ごくごく素朴な問題意識だった。すでに企業法務担当者としてある程度のキャリアを形成していたが、将来に対する漠然とした不安も抱えていた。そんな中で、外部環境に振り回されるのではなく、「判断軸を自分の中にしっかりと持ちたい」と考えたことが、クレド作成の出発点だったように思う。

クレドの管理方法はいたってシンプル。タスク管理アプリ「Microsoft To Do」のメモ欄に全文を入力し、毎朝6時にリマインダー通知が届くよう設定。起床後、通知をタップしてクレドを読み返し、その日の最初に頭へインプットする。いわば、毎朝の”精神のストレッチ”のようなものだ。体を動かす前に軽くストレッチをするのと同じで、思考や価値観も一度ほぐしてから一日を始めた方がよい、という感覚に近いかも。すなわち、この”精神のストレッチ”を行って初めて私の一日が始まる。
私が12年前にこの習慣を始めた当初はWunderlistというアプリを使っていたが、ドイツの運営会社がマイクロソフトに買収され、サービスがMicrosoft To Doへと刷新された(余談だが、Wunderlistの仕組みがOutlookのタスクにも反映されており、なかなかに興味深い)。アプリやツールは時代とともに変わるが、「毎朝クレドを読む」という行為そのものは、一度も途切れることなく続いている。こうした小さなルーティンの積み重ねが、結果として12年という時間をつないできたのだろう。
2.2026年のクレド
そして、今年の正月に新たに更新した2026年版のクレドは以下の通り。



3.クレドの効果は?
クレドを毎朝読み返す行為は、意識的であれ無意識的であれ、自分自身の判断軸や行動に確実に影響を与えている。たとえば、感情的になりそうな場面で一歩踏みとどまれたことや、短期的な損得よりも長期的な視点を選べたことは、一度や二度ではない。そして少なくとも、この習慣がマイナスに働いたことは一度もない。
12年間続けて実感するのは、人生への向き合い方(コミット)が以前よりもはるかにポジティブになったという点。例えば、「自分は人生をコントロールできている」という感覚が以前よりも明らかに強まっている。定量的な効果を示すことは難しいが、仕事や生活に対する“ライブ感”が増し、日々を受動的に過ごすのではなく、主体的に選び取っている感覚がある。特に2023年のヘッドハントに基づく転職活動により、「人生の軌道修正」を行ったことは、毎朝読んでいるクレドに背中を押された結果と言っていい。つまり、自分の人生設計にまで影響を及ぼしたことになる。
4.まとめ
クレドとは、未来の自分に向けた静かなメッセージなのかもしれない。忙しさや環境の変化に流されそうになったとき、「自分の人生目標は何か」「自分にとって人生で大事なことは何か」「残りの寿命をどのようにして有意義に過ごすか」を思い出させて、「人生の目的意識」を高めてくれるツールでもある。そう考えながら、継続的な自己最適化のために明日もこのクレドに目を通すことになるだろう。

もし、少しでもこの記事に興味を持った人がいれば、立派なものでなくて構わないので、自分なりのクレドを一度書いてみることをおすすめしたい。完璧である必要はないし、毎年変わってもいい。大切なのは、「自分の言葉で、自分に向けて書く」という点。もしかしたらその小さな一歩が、数年後、数十年後に思いがけない差を生んでいるかもしれないのだから・・・。

