企業法務担当者のビジネスキャリア術

氷河期世代の企業法務担当者がライフログとして日々の出来事を記録しています。2009年に開始したブログは17年目を迎えました。

【今週のお題】電子書籍が4万円!?私が「ドラゴンランス」全25巻の合本版を買った理由。

今週のお題「大きな買い物」

 

1.「ハリー・ポッター」の先輩かつ「指輪物語」の後輩

はてなブログの今週のお題は「大きな買い物」。
 
 
大きな買い物・・・というと、世間一般では住宅・車・大型家電などが大半だろう。だが、私にはいずれもあてはまらない。2022年にkindleで購入した合本版の電子書籍。その金額はなんと4万円。紙でもない。限定装丁でもない。ひとつの電子ファイルで、4万円である。その小説のタイトルは『ドラゴンランス』。
 
本作はアメリカ発のTRPG『アドバンスト ダンジョンズ&ドラゴンズ(AD&D)』の世界観をベースにした、親子二世代に及ぶ壮大なファンタジー小説だ。80年代に日本でも翻訳版が刊行され、大ヒットしたので、私と同じように学生時代にハマった人も多いだろう。
 
この作品の魅力は、個性的なキャラクター、先の読めない物語と伏線(戦記に登場した老魔術師フィズバンが実は善の神パラダインだったというオチには驚愕)、そして、最後は善が勝つという王道的ストーリー。全世界で5000万部のベストセラーとなり、アメリカでは本伝・外伝をあわせて100タイトル以上が刊行されたというレジェンド級のファンタジー小説。もし、時代のタイミングが合えば、「ハリー・ポッター」のように映像化されてもおかしくはない。それぐらい面白い小説。
 

ちなみに、主要キャラクターの前史を描いた「レイストリン戦記」は、この後に発売されたため、合本版には含まれていない。
 
 

2.学生時代からの長~いおつき合い

私とこの作品の付き合いは学生時代に遡る。1980年代から1990年代にかけて富士見書房版の『ドラゴンランス戦記』や『ドラゴンランス伝説』(ドラゴンランスの初期シリーズ)が刊行されており、「ロードス島戦記」などのファンタジー作品が好きだった私は夢中で読み耽っていた(同じ作者コンビで富士見書房から発売された別作品「ダーク・ソード」「熱砂の大陸」もそれぞれ読破)しかし、肝心の「ドラゴンランス」本伝の後期シリーズは刊行されず、結婚を機に実家へ置いていた原作は、いつの間にか親の手によってあえなく処分(泣)。
 
その後、時は流れて版権を取得したアスキーが2000年代に初期二作に加えて「セカンドジェネレーション」「夏の炎の竜」「魂の戦争」などの後期シリーズ作を刊行。私は、大阪市立中央図書館に通い詰めて最終シリーズ『魂の戦争』までを完読。ドラゴンランスを読み始めた当時は学生だった私が社会人となり、結婚し、子供を持ち、それでも物語の完結を見届ける。その長い長い旅をようやく終えた時の感無量な思いは、今でも忘れられない。

 

3. 4万円の価値は「どこでも読める自由」

そんな思い出の作品 全25巻を1つのファイルにまとめた「合本版」として復刊されると知った時は「4万円の電子書籍を誰が買うのか?」と驚いた。おそらく私のように一度は原作を読んだことがある読者層をターゲットにしていると思うが・・・。とはいえ、さすがに1ファイル=4万円という電子書籍の購入には二の足を踏んでしまった。しかし、あの時の感動をいつでも手元に置いておきたい。その一心で、かなり悩んだ挙句、ボーナス支給時に思い切って購入したのは2022年の夏。
 

 
あれから4年の歳月が流れたが、私のスマホの中には今でもドラゴンランス合本版(全25巻)が収められている。
 

 
移動中などに少しずつ読み進めているが、途中で中断したり、図書館で借りた本を優先させているため、実はまだ完読していない。あまりに膨大なページ数ゆえ、たまに前の話を忘れて戻ることもあるが、スマホ一つでこの重厚な世界に飛び込めるのは、電子書籍ならではの贅沢。あのクリンの世界に「いつでも戻れる」こと自体が、すでに4万円以上の大きな価値がある。こういうときにはスマホや電子書籍という学生の頃には影も形もなかったテクノロジーに感謝したい。電子書籍で読む本は味気ない、と言う人もいる。だが私にとっては、時間を超えて物語を保存できる“個人アーカイブ”である。
 

 
このように、4万円の電子書籍の購入は、間違いなく私にとっての「大きな買い物」だった。しかし、それはモノではなく、「学生時代の自分」と再会するために支払った対価だと思えば、決して高くはないかもしれない。