企業法務担当者のビジネスキャリア術

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【書評】「3年目社員が辞める会社 辞めない会社」森田英一(東洋経済新報社)/人事担当者に限らず、一般のビジネスパーソンにとっても自らのキャリアの方向性を模索するヒントとなるのでは?

「3年目社員」が辞める会社 辞めない会社 若手流出時代の処方箋「3年目社員」が辞める会社 辞めない会社 若手流出時代の処方箋
森田 英一

東洋経済新報社 2006-12
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1.読者層  ◆人事部門にお勤めの方  ◆自分のキャリアの方向性についてヒントがほしい方 2.目次  第1章 3年で3割辞める理由  第2章 プチ大企業病が蝕む若手の成長  第3章 企業から求められる人材・辞めずに活躍する人材の共通項  第4章 人が辞める時代のマネジメント ~成長プロヂューサーへの転換  第5章 自立組織になるために 3.感想 本書は、以前の記事でも紹介したように、古本屋で105円にて購入した中古本である。私はビジネスパーソンとしてのキャリア論にも深い関心を持っているため、その類の本も読むようにしているのだ。 そして、本書は、経営者・人事担当者向けの新入社員対応の人事制度構築論を説いた書籍である。しかし、私のように人事とは無関係のビジネスパーソンにとっても「自分は今後どのようにしてキャリアを構築していけばよいか」ということを考えるにあたり、良いヒントになり得ると思う。 本書は、まず「入社後3年に以内に自社を退職する若手社員の割合が約35%近くにもなり、4割を突破するのは確実である」という現状を説明した上、彼らが「退職」という行動に至る背景には、その会社において「自分が成長できるのか、自分の価値を高めることができるのか」というシステムの有無が大きな基準になるということが示されている。 そして、グローバル化、IT化が大きく進み、国内外を問わず企業間の競争が今まで以上に激化した結果、これまでのモデル像が大きく変容しつつある状況の下、ビジネスパーソンはもはや会社に言われたとおりに行動するのではなく、目の前で刻々と変化し続ける状況に迅速かつ臨機応変に対応する、すなわち「自ら考えて行動し、やりきる人材(=自立型人材)」とステップしなければならない、と説いている。具体的には、今後のビジネスパーソン像として、以下の姿勢を身に着ける必要があるとしている。 ①問題発見、課題設定をする ②上司や会社への提案をする、もしくは自分で行動する ③継続的に工夫し、やりきる 社会人を10年以上やっている私も全く同意見であり、単なる「指示待ち君」ではNGで、自分なりの価値観を持って自ら組織に対して働き掛ける人材(つまり、筆者の主張する自立型人材)が要求されていると考える。 従って、常日頃から自分の頭で考える習慣・姿勢を持ち、問題点の発見およびそれに対する解決策を生み出す思考法を身に着けなければならない。そのためには、専門分野はもちろんのことそれ以外の知識や情報も積極的に吸収して、自分の中に新しい思考軸を生み出すよう意識する必要があるのではないかな、とも思う。 一昔前のビジネスパーソンならば、言われたことを言われたとおりに仕事をすれば、そこそこの地位まで出世することができ、リタイアしても安楽な余生を送ることができたが、残念ながら今の時代はそうではない。従って、「考えること」を組織にゆだねるのではなく、自分自身でそれを行い、何をするべきか、何を目指すべきかを試行錯誤していく必要があるのだ。昔の世代に比べると、私たちはなんとも損な世代だが、こればかりは仕方ない。 また、あとがきに書かれている教育パラダイムに関する現状については、なるほどと納得した。すなわち、「小・中・高校生時代は言われたことに真面目に考えて短期間で答えを出すというパラダイムが重要視されるが、大学を経て社会に出ると、人の言いなりになるのではなく、自分の頭で考えて結果を出すというパラダイムに転換されるようになる」ということだ。これは私も学生時代を振り返ると、全くそのとおりと思う。学生時代は、問題の本質的な意味について考えたことはなく、与えられた問題に回答を出すことが要求され、その意味について疑問を抱くことはかえって「悪」と教えられた。ところが、社会人になると、単なる「指示待ち君」は高く評価されない。「その仕事の意味・目的について自分の頭で考えろ!」と言われる始末。このようなギャップを感じさせる点が現代日本の教育制度の問題点ではないかな、と思う。 4.おまけ 第1章で大手商社において、エビの買い付けを行う部門に配属されて、「この先もエビ一筋の人生を送るのか」と悩むビジネスパーソンが紹介されている。偶然だが、私の小学校生時代の友人が同じケースに該当する。 実は、数年前に小学校時代の同じクラスの友人たちと同窓会を行ったのだが、その中の一人は新卒で大手商社に入社し、食品部門に配属され、エビの買い付けの仕事を行っていたという。なんでもインド・カナダと日本を行ったり来たりの生活で、それなりにハードワークだったらしい。インドで食中毒に遭ってお尻に注射を打たれたとか、現地の若い女性を低賃金で働かせて、エビをジャブジャブと保存料漬けにしているのを見るとエビ(回転寿司のエビはそうらしい)を食べる気が失せた、などなかなか面白い話を聞かせてくれたのだが、年収も800万円以上(当時20代後半)あったらしいし、待遇は決して悪くはなかったようだ。その後、彼は紆余曲折を経て大手通信機器メーカーに転職したとも話してくれた。転職の経緯はあまりくわしく話してくれなかったが、これだけ好条件の職場を去るということは金銭的な問題ではなく、本書において紹介されているエピソードのように、エビ一筋の人生うんざりしたのかもしれない。 「人気ブログランキング」参加中です!1クリックお願いします! にほんブログ村 サラリーマン日記ブログ 戦うサラリーマンへ
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