企業法務担当者のビジネスキャリア術

氷河期世代の企業法務担当者がライフログとして日々の出来事を記録しています。2009年に開始したブログは16年目を迎えました。

【契約書】自社定型契約書に対する取引先の様々な対応について/相手方の要求をきちんと記録に残しておき将来の改訂に役立てる

基本的には自社における定型契約書の制定に関しては、企業法務担当者である私がその全てに関与している。従って、全国の営業担当者より定型契約書に関する問い合わせを受けた場合、それに対応するのも私である。例えば、「取引先よりこの条項をこのように変更してくれという要望を受けました」「あの条項は削除してもらえませんか」「その条項の意図を詳しく教えてほしい」というリクエストが日々私のところに寄せられてくるのだ。これらに対して正確かつ迅速に対応することも大事な仕事である。 最も多いケースがやはり契約条項の変更要求だ。この場合、契約書のオリジナルデータを変更したり、付属覚書を作成することによって対応している(ただし、後者の方が圧倒的に多い)。これらの変更要求に関しては、大部分が想定の範囲内であり、即座に諾否回答を提示できるのだが、中には「なるほど、そう来たか!この法務担当者はできるな…」と感じる提案を行ってくる会社がしばしばあるのも確か。 ただ、大事なのは、これらの取引先の要求とそのコメント、そして自社の対応結果をきちんと記録に残しておくことだと思う。そうしておけば、今後似たような要求があった場合でも即座に対応できるし、将来の契約書改訂に役立てることができるためだ。私の場合、エクセルに定型契約書ごとにタブを作成した上、上記の記録を残すようにしている。 自社の定型契約書は、私が苦労して世に生み出した「自分の作品」と言ってもいい存在である。それらが、何千枚、何万枚と印刷されて、営業担当者を通して全国のいろいろな会社に提示されて、社内の関係者によって読みこまれ、そして、また自社に対する条件変更要求という形で私の手元に帰ってくるというのは、なんとも感慨深いものがある。喩えるならば、川に放流した稚魚がいつの間にか成長して自分の手元に戻ってきたかのよう…。 いずれにせよ、契約書1通を取り交わす場合であっても、ここに至るまで当事者双方において相応のコストを費やしている。従って、条件違いのもの別れに終わるのではなく、両者がある程度満足できる形で契約締結までもっていきたいところだ。そのあたりが企業法務担当者の技量が大きく問われるところなのだろう。
取引基本契約書の作成と審査の実務取引基本契約書の作成と審査の実務
滝川 宜信

民事法研究会 2010-03
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