企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【法律】連帯保証人制度に関する一考察/オン・オフの立場に応じて考えが変わりますが…。

1.連帯保証に関する書籍 先日、図書館で以下の本を借りて、つい昨日読了したところ。
「 連帯保証人 」 ハンコ押したらすごかった、でもあきらめるのはまだ早い! (ワニブックスPLUS新書)「 連帯保証人 」 ハンコ押したらすごかった、でもあきらめるのはまだ早い! (ワニブックスPLUS新書)
吉田 猫次郎

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本書では、連帯保証の仕組み、問題点、提言などが紹介されている。個人的に驚いたのは、先進国で連帯保証という制度が利用されているのは日本だけであるという点。もちろん、他の国にも通常の個人保証自体は存在しているのだが、保証人に非常に重い責任を負わせる連帯保証という制度は他の国にはないらしい。まあ、「ムラ社会」の象徴ともいえる日本らしい制度といえるかもしれない。 2.連帯保証人を依頼する側/される側から とはいうものの、ビジネス法務の分野では連帯保証は、やはり利用価値が高いルールではある。例えば、販売先と継続売買取引を開始するにあたって、取引基本契約書の締結と同時に連帯保証人を要求するのはよくあること。中小企業クラスとなると、その会社の代表取締役や親戚などが連帯保証人となるケースが多い。もっとも、本当にその会社が経営不振で倒産した場合、連帯保証人も同時に個人破産などを行うことも多く、決して万全の債権保全策と断言することはないのだが…(ないよりはマシというスタンス)。 このように販売先に対して売掛債権を有する立場にたつと、連帯保証は債権保全のための一つの手段ともいえるが、債務者の立場にたつと弱者いじめという側面はどうしても拭いきれないのも事実。よく「他人の連帯保証人になってはいけない」と言われるが、これは全く正しい考えだ。というのも、連帯保証人は通常の保証人に比べて、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」が認められず、万が一債務者の債務不履行時には、債権者よりただちに履行請求がなされる等、かなりリスキーな仕組みとなっているからである。このように、連帯保証は、グローバルおよび消費者保護の観点よりかなり問題のある制度であるため、改正作業が進行中の債権法でも何らかの手が加えられるのは間違いない。 3.過去の我が家のケース 実は、もう10年近く前の話だが、私の親も知人より連帯保証を依頼されたことがある。なんでもその知人が会社を設立して金融機関から融資を受けるに際して要請されたらしい。私の親は即座にその話を断った結果、その知人と疎遠になったらしいが、それは正しい判断だったと思う。なぜなら、後日その知人が他の様々な人物に連帯保証人になることを依頼し、結果として幾人かに迷惑をかけたという話を伝え聞いたからだ。もし、私の親が連帯保証人になっていれば、ひどい目にあっていただろう。 連帯保証人を依頼する債務者の立場からすると、連帯保証を取り付けることによって取引先や金融機関との取引が円滑に進ませることができるというメリットがあるのだが、連帯保証人の立場からすると、いつ何時債務の履行を請求されて、生活が破綻しかねないというリスクを押し付けられることになり、デメリットしか見当たらない。 過去に司法書士試験などで民法を勉強していた時分には、連帯保証は単なる勉強科目の一つに過ぎなかったが、こういった「現実」の問題点を知ると、本当に恐ろしい制度である。とはいうものの、過去に私は賃貸住宅への入居時にやむなく親に連帯保証をお願いすることもあった。ただし、これがあくまで許されるギリギリのラインではないだろうか。これが金融機関からの資金借入れに関する連帯保証となるとリスクが大幅に増加するため、絶対に避けたいところ。それによってその人との人間関係が悪化したとしても、我が身の保身が大切なのだから、それはそれで致し方ないと思う。 4.まとめ このように、今回は連帯保証をお願いする立場(=仕事面)とされる立場(=プライベート面)から触れてみた。書いていることが真逆なのだが、読者の皆さんに何らかの参考になれば幸いである。
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