企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【法律】今振り返るとあれは独占禁止法の「不公正な取引方法」だった!?/私のアルバイト時代の経験より

1.コンプライアンス研修のテーマ コンプライアンス研修の題材として独占禁止法や下請法を取り上げるケースがあるが、そのような場合、 ①法律の概要 ②自社が留意するべき箇所 ③公正取引委員会の役割 ④実際に摘発された事例 などを受講者にわかりやすくまとめて解説を行うようにしている。特に経験上、法律の仕組みや概要などの抽象論的な講義に終始すると受講者にとって単なる座学になって全然面白くない。そこで、自社の現状や問題点と関連づけて、様々な具体事例を紹介しつつ、受講者にできる限り理解しやすい方法でプレゼンを行うようにしている。特に公正取引委員会のHPで紹介されている違反事例は、格好の”教材”になるので、是非活用をお勧めしたい。 公正取引委員会:独占禁止法 このHPで紹介されている「独占禁止法違反事例の報道発表資料」では、某社が仕入先などの納入業者に対して、自社グループ会社の小売店舗においての商品の陳列や展示作業のために、従業員を派遣させていた行為が独占禁止法の「不公正な取引方法」の「優越的地位の濫用」に該当する旨が公表されている。 2.学生時代のアルバイト経験 私は、学生時代に某食品会社(A社)の倉庫で商品梱包や仕分けのアルバイトをしていたことがある。そこで、A社が売上げのかなりを依存していた得意先である卸売会社(B社)にも商品を運んだりしていたが、B社は自社の会員顧客向けに自社店舗で直販も行っていた。そのためかB社のセール期間中は、A社従業員がB社店舗に行って商品の商品陳列や接客なども行っていた。後で社員に確認したところ、このようなA社従業員の行為に対してB社から対価などは支払われないとか。つまり上記事例とほぼ同じ構図となる。 当時の私は司法書士試験を勉強していたものの、独占禁止法の「ど」の字も知らなかったので、B社の行為に何の疑問も持たなかったが、企業法務担当者としてこの法律にある程度詳しくなった現在、このような行為が「不公正な取引方法」に該当することは理解できる。 とはいうものの、A社の経営者の立場にたてば、売上げのかなりをB社に依存している以上、B社の要求には従わざるを得ないのもよく理解できる。たとえ、公正取引委員会に告発したとしてもその後のB社との取引が穏便に続く保証もないであろうし、将来の利益を獲得するため、目先の不利益は甘受せざるを得ないというところだろう。 研修を行う立場としては、受講者に対して「法律をきちんと守りましょう」と説くのだが、このような「法律と現実とのギャップ」をよく知る身としては、なかなか複雑な気持ちになってしまう。
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