企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【プライベート】妻方に発生した相続問題 その3/先方サイドの司法書士に当方の見解書をFAXしました

1.前回までの経緯 以前にご紹介した妻の祖父の相続問題についてだが、あれから状況の変化が多少あったので、その内容をお知らせしたい。 【法律】妻方に発生した相続問題が修羅場に発展か…!?/今回の事例から得た1つの教訓とは: 企業法務担当者のビジネスキャリア術 【法律】妻方に発生した相続問題 その2/先方サイドの司法書士との電話交渉を行いました: 企業法務担当者のビジネスキャリア術 また、読者の皆さんが理解しやすいように当事者関係図も掲載しておく。 20121202当事者関係図
20121202当事者関係図 posted by (C)Sabosan 2.状況の変化と当方の対応 あれから数日後に、私が電話で交渉を行った司法書士より、不動産の登記事項証明書と固定資産評価証明書が郵送されてきた。それによると、不動産全体の資産価値は、全体としてずば抜けて高いわけではないのだが、それ相応の価格を有していること確認することができた。また、①現在不動産を占有・管理している人物は被相続人である祖父の親戚であるB氏であり、生前に祖父との間で不動産に関する何らかのトラブルがあったこと、②祖父の死亡後にA氏に対して不動産の買取りを打診していることも合わせて判明した(どうやらB氏は名義を取得した上、不動産の転売を考えているらしい)。 これらの状況を把握・整理した上で、妻や義父と本問題への対応を検討したところ、「我々は、民法上の正当な法定相続分を有しているのだから、何らの対価の支払いを受けることなく不動産を全てAが承継するという遺産分割協議書に署名押印を行うことはできない」という結論に達した次第。そこで、私と義父は、A氏と直談判を行うべくA宅を訪問しようとしたのだが、拒絶されてしまった。こうなったら直接B氏と話をしようと考えて、司法書士にこちらの見解を示した書面をFAXで送信して、B氏に渡してもらうようお願いした。その文書は、代理人である私が作成したのだが、以下のとおりその内容をご紹介したい。(ただし、一部省略している箇所あり)
平成●●年●●月●●日
●●●司法書士事務所 御中
相続問題の解決策に関するご提案について
●●●●●●●●●●●●●●●● (●●●●●代理人)Sabosan (連絡先)●●●●●●●●●●
拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご配慮を頂き、誠にありがとうございます。  まず、最初にご説明させて頂きますが、私は、本相続問題に関して、法定相続人の●●、●●、●●の3名より本件解決に関する一切の権限の授与を受けました(別紙委任状をご参照)。従いまして、本件に関する連絡のやりとりは全て代理人である私が行わせて頂きます。誠に恐れ入りますが、ご了承下さい。  さて、貴所よりご送付頂きました資料を拝見させて頂きました。その結果、以下の事実について正確に把握することができました。どうもありがとうございました。
①●●に所在する土地●●筆(以下、「本物件」といいます)が●●の祖父である●●(以下、「被相続人」といいます)が所有者であること。そして、その合計資産価値は金●●円であること。 ②平成●●年に被相続人が死亡した結果、本物件の法定相続人は、●●を含む6名であること。そして、相続登記を行うためには、法定相続人全員の遺産分割協議書(実印押印)、戸籍謄本、印鑑証明書が必要であること。 ③現時点における本物件の管理者は被相続人の親戚(以下、「買主様」といいます)であり、相続人から本物件を購入した上、本物件の一部を占有している●●に転売することを予定していること。
本問題の解決に関して、買主様に協力させて頂くことには全く異存はございません。ただし、一点だけご提案させて頂きたいことがございますので、ご検討頂きますようよろしくお願い申し上げます。 まず、本物件の取扱いに関してですが、被相続人は生前に遺言書を作成しておりませんでした。従いまして、民法第900条および第901条に基づいて、本物件に関して、●●は8分の1、●●は16分の1、●●は16分の1の法定相続分保有しております。(以下、この3名を総称して「●●家相続人」といいます)そして、民法第896条に基づき、●●家相続人3名は相続開始時点において本物件に関して合計16分の4、すなわち4分の1の正当な持分を有していることになります。 次に、貴所よりご送付頂きました本物件に関する「平成24年度 評価証明書」では合計評価額は、●●円とありますが、これはあくまで固定資産税の算出基準であり、不動産物件の市場売買価格は、商慣習上の観点より30~40%増額した金額が妥当とされております(別紙参考資料ご参照)。従いまして、本物件の市場価格は、約●●円程度と試算させて頂きました。 以上より、●●家相続人は市場価格に照らし合わせまして、本物件に関する正当な持分として、●●円を保有する権利を有していると考えます。つきましては、誠に恐れ入りますが、買主様への本物件の譲渡条件として、その正当な権利の対価である金●●円を●●家相続人に対してお支払い頂くことをご提案させて頂きます。本提案に同意して頂けるならば、●●家相続人は、①遺産分割協議書への実印の押印、②戸籍謄本および印鑑証明書の手配について全面的に協力させて頂きます。 買主様からすれば、私達からの本提案は、少々意外に思われるかもしれません。しかし、本件のような問題は、(被相続人の遺言書が保管されていない以上)個々人の恣意的な判断ではなく、あくまで法律に基づいて公平かつ適正に処理されることこそが最善の解決策であると考えております。万が一、買主様が本提案に前向きなご回答を頂けないならば、誠に遺憾ではありますが、●●家相続人は本問題の解決に協力させて頂くことは困難であることについてはご了承下さい。 (略) 以上が●●相続人からのご提案の概要となります。本問題は民法に基づいて可及的かつすみやかに解決することこそが、故人の意思に従った最善の方法である思料致します。何卒ご協力いただきますようよろしくお願い申し上げます。
敬具
上記内容の書面を司法書士に対してFAXで送信したのだが、今のところ全く音沙汰がない状況である。もしかしたら、B氏は「ウチが頼んだ司法書士にこんなFAXが来たぞ」などA氏と何らかの連絡を取り合っているかもしれない。 3.まとめ 以上が現在の状況である。私は司法書士事務所に勤務していた経験があるため、複数の相続人が存在する相続登記に関して、法定相続分によることなくA氏1人のみに名義変更を行うためには、遺産分割協議書への実印押印と印鑑証明書の添付が必須となることはよく理解している。従って、相手方としては当方の協力がなければ、当初の意向どおりに相続登記を進めることができないのは確かなので、ここはしばらく事態を静観しつつ、相手方の出方を待つこととしたい。
必ずもめる相続の話必ずもめる相続の話
福田 真弓

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