1.良質の音楽番組
我が家ではBS放送を受信しているのだが、私が毎週チェックしている番組をご紹介したい。それは、BS-TBSの「SONG TO SOUL~永遠の一曲~」である。
この番組では、多くの人が知っているであろういわゆる「名曲」にスポットをあてて、音楽関係者へのインタビューを交えつつ、その曲が誕生した時代背景や経緯、アーテイストの略歴、レコーディングの裏話などを紹介するという内容構成である。
私がこの番組を知ったきっかけは、年末年始に再放送されていた本番組を偶然鑑賞したことにある。本番組は、昨今地上波で放映されているコメンテーターやゲストがやたら騒ぎたてるタイプの音楽番組(タイトルはここでは触れないが)と違って、ドキュメンタリー番組のように名曲にまつわるエピソードを丁寧に紹介していくという姿勢であり、視聴者は落ち着いて鑑賞できる良質の番組だ。
2.名曲が誕生するきっかけ
例えば、1月で放送された内容で特に良かったのが、以下の3曲。
1月9日 ジャーニー「don't stop believin'」
Journey - Don't Stop Believin' - Live
1月16日 シカゴ「素直になれなくて(Hard to say I'm sorry)」
1月30日 エルヴィス・コステロ「She」
上の二曲については、「どこかで聞いたことがあるような…。でも、いい曲だなあ」と思い、早速TUTAYAで両アーティストのベスト盤を借りてきた。最近、通勤途中においてよく聞いているのが、これらのベスト盤。

- アーティスト: Journey,Neal Schon,Robert Fleischman,Ross Valory,Steve Perry,David Bowie,Gregg Rolie,Jonathan Cain,Larrie Londin,Aynsley Dunbar,Steve Smith,Randy Jackson,Mike Stone,Roy Thomas Baker,Geoff Workman,Kevin Shirley
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2001/10/17
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る

- アーティスト: シカゴ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/08/21
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
最後の「She」は、1999年に映画「ノッティングヒルの恋人」で使用された主題歌であり、映画自体も大ヒットしたので、ご存知の方も多いだろう。番組においてこの曲に関してなかなか興味深い裏話について触れていたので、以下のとおり紹介しておく。
・「She」は、フランス人歌手シャルル・アズナヴール(機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルの命名はこの人からとられたらしい!)が1970年代に発表したオリジナル曲を映画に使用する予定であったが、著作権法の許可が映画公開までに間に合いそうになかったので、急遽カバー曲を使用することに決まり、ボーカルにコステロに白羽の矢が立つことになった。
・レコーディングは、ビートルズのアルバム製作でも有名なアビーロードスタジオで行われた。
・コステロはワールドツアーの真っ最中でレコーディングの日程都合がなかなか合わず、アメリカに行く当日のわずか1時間を使って6テイクが録音され、そのうちベストテイクが切り貼りされて使用された。コステロは収録後にただちに飛行機でアメリカに飛び立っている。
上記のとおりヒット曲というものは、決して計算尽くしで生まれるのではなく、様々な偶然が積み重なって誕生するということがよく伺えるエピソードである。
ともあれ、この番組は音楽(特に洋楽)好きの人には非常に素晴らしいコンテンツと思うので、興味をもたれた方は一度鑑賞してほしい。