企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【企業法務】企業法務に従事して10年が経過して今思うこと/この仕事につく前に抱いていた「勘違い」を振り返ります

1.一冊の書籍より 先週末から自室の本棚を少しずつ整理をしている。いらない本は年末の粗大ゴミで処分するためだ。その作業の途中で本棚の奥から以下の書籍を発見した。
図解でわかる部門の仕事 新版 法務・知的財産部図解でわかる部門の仕事 新版 法務・知的財産部
辛島 睦 阿部 一正 成毛 文之

日本能率協会マネジメントセンター 2006-06-27
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上記とは少しデザインが違うが、私の手元にあるのは2003年に発刊された改訂第2版である。手にとった私は、「懐かしいなあ。あれからもう10年がたつのか・・・。」としばし感無量。私はいくつかの職種を経験して企業法務の世界に入ったが、そのきっかけをくれたのが本書となる。 私は、本書をきっかけに法律知識を生かした「法務」という職種があることを知った。非常にお恥ずかしい話だが、それまで法律に従事する職種といえば、弁護士・司法書士行政書士ぐらいしか思いつかず、そのような仕事をするビジネスパーソンがいることに驚いたものである。 その後、様々な紆余曲折・試行錯誤を経て企業法務という仕事に従事して気がつけば早10年。今にしてこの仕事につく前の自分を振り返ると、少々勘違いした箇所も多々存在する。今回はそれらについて簡単に触れてみたい。もしかしたら、これから法務職に従事することを希望する人には何らかの参考になるかもしれない。 <勘違い その1>企業法務担当者には法律知識だけが求められる。 →(現実)法律知識だけではなく、コミュニケーション力・交渉力・プレゼン力などのビジネスパーソンとしてのスキルも要求される。 10年前の私は企業法務という仕事には、法律知識だけが必要とされると思い込んでいた。しかし、それは大きな間違い。もちろん、民法・商法と自社業界に関する一定の法律知識は必要だが、それだけではなくビジネスパーソンとして求められるスキル、例えば、コミュニケーション力・交渉力・文書作成能力・プレゼン力・想像力・ITリテラシーなどの能力、特に一人の人間としての「人間力」そのものが問われると感じている。 企業法務担当者は社内クライアント・上司・同僚・子会社・取引先・外部の弁護士などの様々な利害関係者と協力・調整・交渉などの様々な関係を構築しつつ、仕事を進めていかなければならない。そのためには、「頭でっかちな知識編重タイプ」ではなく、「法律知識を備えているバランス感覚の優れたビジネスパーソン」であることが望ましい。私の場合、数多くのビジネス書などを読んで、読書ノートにまとめた上、少しずつ実践していることは以前にもお知らせしたとおりだが、ビジネスパーソンとしての一定のスキルは備えておくべきだと思う。 【情報整理】「読書ノート」のススメ/ビジネス書を読んで、印象に残った箇所や自分の考えをノートに書き記す : 企業法務担当者のビジネスキャリア術 <勘違い その2>企業法務担当者は、事務系職種として上司に言われたことだけやればよい。 →(現実)状況によっては、自分から仕事を創り出すなど積極的に行動することも求められる。 通常、法務部門は管理部門やコンプライアンス部門などに所属しており、企業法務担当者もいわゆる事務・管理系職種と分類されている。(以下のエンジャパンのサイトを参照してほしい) 転職はエン転職コンサルタント|ひとクラス上の転職をプロがサポート 私自身は、この仕事につく前は上司に指示されたどおりに仕事をすればよい、というイメージをもっていた。しかし、これは大きな誤りだと考えている。もちろんビジネスパーソンである以上、上司の指示に基づき期待されたどおりの成果を実現することも大切だが、時には自分から問題提起を行って行動することも必要だと思う。 例えば、業務の過程で、自社の管理体制やルール上の問題点、法務部門の問題点を発見した場合、それをスルーするのではなく、なんとかしてこれらの問題を解決することができないか、上司・関係部門を巻きこんで、解決手段を模索することも必要なスキルだと思う。すなわち、単なる「指示待ちの事務屋」ではなく、「積極的な問題解決型ビジネスパーソン」としての行動指針をもって仕事に取り組まなければならない。そのためには、時には「仕事を創る」ことも重要かと・・・。 【企業法務】企業法務担当者に求められる問題解決能力とは/日々の実務で実感しています。: 企業法務担当者のビジネスキャリア術 【キャリア】自分の人生を創れる人は、自分の仕事を創ることができる/周囲の環境の変化に応じて新しい仕事を創り出していく: 企業法務担当者のビジネスキャリア術 <勘違い その3>企業法務担当者には愛想のよさは不要である。 →(現実)企業法務担当者には、ある程度の人間的魅力も必要である。 私が社内クライアントとお酒を飲みに行って、法務に関するイメージを聞いてみると、
「法務の人達って頭は良いのだろうけど、なんていうかなんか近寄りがたい雰囲気があるんですよね~。あ、sabosanは違いますよ、こうして一緒にお酒を飲んでいるし・・・」 「なんだかいつも難しい話をするので、わかりにくい。敷居が高い。」 「パソコンと六法全書ににらめっこしていて、マジメで堅物っていうイメージかなあ」 「カタイ」
という講評(酷評?)を受けることがある。それを聞いて(いたく傷ついた)私は「そ、そんなことはないですよ~。例えば・・・」と企業法務担当者のイメージアップにいそしむのだが、世間の人が持つイメージはおおよそこのような感じかもしれない。 そもそも企業法務担当者にとって大切なのは、六法全書でもなく、パソコンでもなく、リピーターとなる社内クライアントだ。クライアントがいるからこそ、企業法務担当者は自らの存在価値を示すことができるのであり、クライアントがいない企業法務担当者はみじめなものである。 自分に仕事を発注してくれるのは機械ではなく、クライアント(場合によっては上司)であり、そこに一定の人間関係が存在する以上、それなりのヒューマンスキルも求められるのではないだろうか。聞き上手・愛想のよさ・安心感など・・・。「あの人ならこういう事を聞いても親切に教えてくれる」「すぐにレスポンスを返してくれる」というイメージ像をクライアントに抱かせることが非常に大切だ。 2.まとめ 現在の私は、年末の師走時期ということで、時間の経過の早さを痛切に感じており、気がつけば、おそらく次の10年もあっという間に過ぎていることだろう。そのときの自分はどのような心境に至っているのだろうか。今とたいして変わらないか、それとも別の心境に至っているのだろうか。
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