企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

司法書士が主人公という珍しい漫画を発見/「カバチ」でもなく「がんぼ」でもなく「びったれ」

1.「半沢直樹」のような司法書士 先日とあるニュースサイトで以下の記事を発見。 田中圭、初の一人三役に挑戦!「カバチタレ!」作者の原作ドラマで - シネマトゥデイ

司法書士が主人公という漫画「奮闘!びったれ」(原作者はカバチタレ!の田嶋隆氏)が来年1月にドラマ化されるらしい。しかも、主人公伊武努を演じるのは「ノーコンキッド」で主演をしていた田中圭との事。 企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【動画・映画】ドラマ「ノーコン・キッド ~ぼくらのゲーム史~」の世界観が懐かし過ぎる/私も子供の頃はゲームに熱中していた時期がありました 法律家が主人公の漫画といえば、行政書士の「カバチタレ!」があまりにも有名だが、主人公が司法書士というのはかなり珍しい・・・。20代前半に司法書士事務所で働いていた経験がある私としては、原作に俄然興味をもったので、早速単行本二冊(電子書籍版)を読んでみた。
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本作のストーリーを簡単に説明すると、元ヤクザの司法書士(しかも亡き姉の娘を育てるシングルファーザー)が依頼者が抱える様々な事件を知恵と度胸で解決するというもの。「カバチタレ!」では主人公があくまで法律をメインの武器にして戦うのに対して、本作では法律では効き目がない相手に対して、元ヤクザの経験と人脈を生かして、脅迫すれすれの恫喝を行って、見事に相手を改心(?)させるというもの。クライマックスになると、主人公は眼鏡をとり(目つきも悪くなる)、髪型をオールバックにして、猛烈に相手を論破する。このシーンは読者にとって溜飲が下がる場面で、なんとなく昨年の大ヒットドラマ「半沢直樹」を連想させる。 企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【書評】「オレたちバブル入行組」池井戸潤(文藝春秋)/あの大ヒットドラマ「半沢直樹」の原作小説を再読しました 本作を読む前は、てっきり法務局や市役所を舞台とした司法書士の平穏な日常風景を地味に描いているかな、と勝手に思っていたのだが、さにあらず。いい意味で予想が裏切られたわけだが、まあ、司法書士の日常をそのまま漫画化してもあまり読者にウケないだろうし、これは致し方ないと思う。司法書士が主人公を演じる漫画というだけで、非常にレアなのは間違いなく、そのうち日本司法書士連合会に認定されたりして・・・。 2.司法書士事務所におけるドラマ せっかくなので、「私自身が司法書士事務所でどのようなドラマに遭遇したか」について触れてみたい。例えば、司法書士にとって通常業務の不動産登記の場合、ハウスメーカーや銀行で権利書・印鑑証明書・委任状を受け取ってから、パソコンで登記申請書を作って、法務局に持参して登記申請する(当時は郵送申請が認められていなかった)。そのため、近畿一円の法務局や市役所を訪れたことがあるのは以前にも触れたとおりだが、それほど大きなイベントに遭遇した記憶はない。 企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【その他】司法書士事務所で働くと在来電車の乗り継ぎや地理に非常に詳しくなる/意外な場面で意外な知識が役にたつものです ただし、以下のようなささやかな人生ドラマに遭遇したことはある。 <ケース1 亡くなった母親に再婚歴と腹違いの兄弟が発覚〉 ある土地の所有者(女性)が死亡して相続登記をしたときの事。その女性には二人の子供がいたが、出生(正確には子供が生める年齢)までの戸籍謄本を入手したところ、この女性には再婚歴があり、前夫と子供がいた事実が判明した。つまり、依頼者にとって、相続権を有する腹違いの兄弟がいたというわけで、当人達は、母親の再婚歴や腹違いの兄弟の存在に絶句していた。(一応、その相続問題は紆余曲折を経て無事に解決したと聞く) <ケース2 司法書士がひったくりにあって権利書を紛失> これは以前にも紹介したことがあるが、同僚の女性司法書士が所有権保存登記完了後に法務局で権利書を回収してから、最寄り駅に向かう途中で、スクーターに乗った犯人に鞄ごと権利書をひったくられたという事件があった。 企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【社会・経済】地元で窃盗事件が発生するという物騒な師走に/元従業員に会社荒らしにあった経営者やひったくりで権利書を盗まれた司法書士のお話 その女性は泣きながら帰ってくるし、事務所は警察に被害届を提出したが、結局、犯人と権利書は行方不明のまま。そこで、所有者には謝罪の上、所有権抹消と保証書による権利書の再発行という「裏技」を使ってその場をしのいだ。この事件は、書類管理の重要性をひしひしと感じさせられた事件である。司法書士にとって最も重要なことは、依頼者から受け取った権利書・住民票・印鑑証明書・委任状(つまり個人情報のかたまり)を紛失することなく、法務局に提出し、登記完了後はもれなく依頼者に返却することだ。従って、たとえ電車の中でも居眠りなどできないし、気が張り詰めたものである。 <ケース3 1回の受験で司法書士試験に合格したが、半年で業界から足を洗ったMさん> 当時私が勤務していた事務所にMさんという人が入所してきた。Mさんは、放射線技師をしながら、司法書士試験に1回で合格した優秀な人物であり、仕事ぶりも真面目であった。しかし、待遇が満足できなかったか、わずか半年ほどで退職してしまう(当時Mさんは子供が生まれたばかりで、奥さんと将来性を話し合った上の事らしい)。現在も日本司法書士連合会のHPの会員検索で名前を探しても見つからないので、Mさんはこの業界からは完全に足を洗って、元の業界に戻ったようだ。 このように、司法書士試験に何年もトライして、それでも合格できない人が多数存在する一方、たった1回の受験で見事に合格するが、アッサリとこの業界から足を洗う人もいる・・・。これも人生のドラマではないだろうか。 企業法務担当者のビジネスキャリア術: 【資格】食えない士業のリアルとは/今の時代、資格を取得すれば人生安泰というわけではありません 3.まとめ このように、それなりの事件に遭遇したことがあるが、「びったれ」ではどのようなドラマが繰り広げられるのだろうか。来年にドラマ放送が開始したら、本ブログで改めて取り上げてみたい。
司法書士という生き方―司法書士の事件現場から司法書士という生き方―司法書士の事件現場から
山田 茂樹

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