企業法務担当者のビジネスキャリア術

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【書評】ゲームブック「パンタクル 1.01」鈴木直人(創土社)/子供時代にやりこんだゲームブックの復刻版をクリアする

1.名作ゲームブックの復刊

以前に国産ゲームブックの名作である鈴木直人著「ドルアーガの塔」三部作について触れたかと思う。 

 

 本作には、主人公ギルガメスの仲間としてメスロンという魔導師が登場するが、ドルアーガ三部作の完結後には、このメスロンを主人公にしたゲームブックが複数発売されており、子供の頃プレイした事がある。そして、1980年後半にゲームブックブームが終焉して、だいぶ後になった2002年にメスロンサーガの一作目である「パンタクル」の加筆復刻版が創土社から発売されている。つい先日、本作をようやくクリアしたので、今回はその感想を少し。 

パンタクル1.01 (アドベンチャーゲームノベル)

パンタクル1.01 (アドベンチャーゲームノベル)

 

 本作のストーリーは、メスロンが、生まれ故郷に災いをもたらした鬼達を討伐するべく「鬼哭谷」に一人乗り込んでいくというもの。「鬼哭谷」は5つのステージに分かれており、屋外ながら「ドルアーガの塔」のようにマッピングが可能だ。敵のキャラクターも個性豊かに描かれており、どれも一筋縄ではいかない。ボス戦も単純ではなく、様々な頭脳戦を繰り広げることになる。

ちなみに、タイトルにもなっている「パンタクル」というのは、魔法を使うための印章をいい、この魔法の使い方が他のゲームブックにはないユニークはシステムとなっている。例えば、メスロンが魔法を使う場合、まずその時点で読んでいたページにアドベンチャーシートを挟み、使用する魔法に対応したパラグラフへと飛ぶ。そのパラグラフには、「どこでその魔法を使用したか」を判定するための一覧表があり、対応したパラグラフにジャンプして、使用した魔法の結果が判明するという仕組みだ。そのため、魔力ポイントがある限り、どのパラグラフにいても主人公は魔法を使うことが可能で、自由度が飛躍的に高いゲームブックである。

私は子供時代からゲームブックはズルをしてプレイしており、それは大人になっても同様。例えば、戦闘には全て勝ったことにする、ワナにかかって主人公が死亡してもなかったことにする、全ての選択肢の結果を見てから次のパラグラフを決める、などゲームブック読者としては、「不正」のオンパレードだが、私はゲームブックを小説の一種を読むような感覚で読んでいるのだが、これはこれで良し(?)としておきたい。その「不正」もあって、この難易度の高いゲームブックをようやくクリアすることができた。

2.ゲームブックと私

以前にも触れたが、子供の頃、私は東京創元社のゲームブックの大ファンで、発売されたものはほとんど買い揃えていた。

 学校から自宅に帰った後に小遣いをもって本屋に出かけて、あの赤い背表紙の新作を見つけた時のワクワク感は今でもかすかに憶えている。そうした少年だった私も今やいい年齢をした大人となり、結婚して2人の子持ちである。しかし、子供時代に愛読した本を再び手にすることができたのは、なんともありがたい話。当時は、スマホや携帯電話やインターネットもなく、テレビゲームの黎明期という状況で私が楽しんだゲームブックだが、中身のプレイ云々ではなく、大人になっても子供の頃に味わったささやかな感動をこうして再確認できることに感謝したい。悲しいかな、大人になるとこうしたワクワク感を味わう機会はめっきり少なくなるだけになおさらである。