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【書評】井川意高「熔ける ~大王製紙前会長井川意高の懺悔録~」(双葉社)/社会的にも注目を浴びた背任事件の真相とは?

先日、図書館で借りたのがこちらの本。 

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録

 

2011年に大王製紙の創業家出身の会長がギャンブルへの転用目的で100億円以上を会社から流出させたという事件が発覚したのは記憶に新しいところ。本書は、その当人が幼少期の生い立ちから、社会人としてのキャリア、そして資金流出を引き起こした経緯を赤裸々に振り返った回顧録である。

最も気になるのは、「公私共に充実して、何の不満もないはずの大企業経営者が、なぜギャンブルで破滅したのか?」だが、文中において、「勝った時の快感が忘れられず、たとえ今は負けていても次の勝ちでとりかえせる」と思い込んだから・・と触れられている。本人には、ギャンブルにのめり込まずとも充分過ぎる収入はあったと思うが、ギャンブルで味わうスリルとはそれほど魅惑的なのだろうか?

かくいう私自身は、パチンコ、競馬、競輪、FXなどのギャンブルには一切手を出したことがない(パチンコ屋で何度かトイレを借りたことはあるぐらい)。なぜなら、こういったギャンブルでは「場」を提供する胴元が最終的に必ず勝つ仕組みになっているからだ。そもそも、ユーザが常に勝ち続けるならば、胴元はとうに破綻しているはず。結局のところ、ギャンブルでトータル的に「勝ち」に持っていくのは、イカサマでもしない限りほぼ不可能だろう。

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私の知人には、競馬やパチンコをやっている者は幾人かいるが、ボロ儲けして、ウハウハな者は一人もいない。彼らは一時的には胴元に勝つことはできても、最終的にはトータルで負けている。というわけで、私はこれからもギャンブルに手を出すつもりは一切ない。どうしても、ギャンブルで勝ちたいならば、「安易にギャンブルに手を出さないこと」。それにつきると思う。