先日、ふとしたきっかけで私の学生の友人(ここではAさんとしておく)と久しぶりに再会する機会があった。Aさんと会うのはかれこれ10年ぶりぐらい。さすがにこの10年で、お互いに結婚、転職、引越し、子育てという多くのイベントに遭遇して、それぞれの立場は大きく変わっており、話すネタには事欠かなかった。
私がAさんと知り合ったきっかけは、高校一年生の時に同じクラスになったことだ。その後、高校を卒業してからは別々の大学に進み、社会人になった後も、定期的に会ってテニスやビリヤードを楽しんだり、飲み会で情報交換などをしていた。その後、Aさんは遠方に引っ越してしまい、年賀状をやりとりをするだけの関係となっていた。そして、「光陰矢の如し」というように、10年の月日はあっという間に過ぎてしまった。
しかし、こうして久しぶりに再会すると、懐かしい学生時代の気分に戻ることができるのが、ビジネスパーソンである私にとって新鮮。学生の頃は、もっぱらAさんとはゲームや勉強の話をしていたが、この年齢になって仕事や育児の話をするとは思いもしなかった。そういえば、Aさんいわく、「我々の世代は、税金は高い、年金はもらえない、景気は悪い、という三拍子揃った大損世代」との事で、なかなかうまい事を言う。しかし、それでもなんとかしてやっていくしかないのも事実。
私の周囲もそうだが、学生時代の友情は結婚するまではなんとか続くかもしれないが、子供が生まれて育児などに追われたり、仕事が忙しくなってくると、ついつい疎遠になりがち。しかし、こうした偶然をきっかけにして古い友人との旧交を温め直すことは、人生において大事だと思う。
最後に、Aさんと再会の約束をして別れたが、それはいつになるかはわからない。もし、再度あった時のネタは、「年金・孫・持病」でもなっているのだろうか。