昨年4月に友人に誘われて氷室京介のラストツアーである「LAST GIGS」に参加したことは以前に触れたかと思う。
早いもので、あれからもう1年がたとうとしている。そんな中、昨年秋項に「LAST GIGS」のライブ音源(MCも完全収録)がMP3形式で販売されて、先日ようやく購入したところ。
ツアーから時間が経過しているとはいえ、アーティストがライブツアーを完全収録した音楽データを販売するというのは日本では相当珍しいケースではないだろうか。今回は氷室のラストライブというわけで、ファンにとっては最高のプレゼントだと思う。この粋なはからいには感謝したい。かくいう私もiPhoneで音源を聴きながら、この記事を書いている。
しかし、このようなライブの音源データがインターネットでダウンロードできるようになるとは、ひと昔まえとは隔世の感がある。私の場合、最初に買った携帯型音楽プレーヤーは、ソニーのカセット型ウォークマンだった(いまどきの若者にしてみれば、カセットテープというものは化石並みのアンティークに相当するだろうが)。その後、MDウォークマンが発売されて、曲の選曲が格段に早くなったのに感動したが、それでもCDをラジカセ経由で録音する作業に手間をかけたもの。当時のMDウォークマンにはダイヤルが備えられており、それを回しながらカタカナで曲名を手作業で入力していた。今の若者には想像すらできないだろうけど、それでも革新的な技術だったのだ。
その後、しばらくしてからAppleからiPod、iPod Touch、iPhoneというように革新的なアイテムが登場し、私もそれらを順次購入したが、これらは音楽業界の仕組みそのものを大きく変化させたのは言うまでもない。個人がお手軽に音楽を購入して気軽に楽しめるようになったわけで、あらためてすごい世の中になったと思う。
こうした氷室のライブ音源ひとつをとっても、世の中の仕組みがどんどん変わっていくのを肌身で感じるわけだが、さて、5年後や10年後はどのようになっているだろうか?