秘密保持契約書といえば、企業法務における契約審査では、基本中の基本として扱われる契約書である。私にとって取引基本契約書に次いで審査件数が多い契約書でもあるが、目下のところ私は海外企業との間で締結する英語版秘密保持契約書「NON DISCLOSURE AGREEMENT」の自社定型の標準契約書を制定作業に着手している。
秘密保持契約書の主要なチェックポイントは、
①秘密情報の開示目的が特定されているか。
②秘密情報の定義が明確になされているか。
③秘密情報とはみなされない例外規定が過不足なく定められているか。
④秘密情報の非開示義務が定められているか。
⑤秘密情報の目的外利用の禁止義務が定められているか。
⑥開示者の事前の書面承諾がある場合には、上記④⑤の義務が免除されるか。
⑦秘密情報の自社役職員等への開示・利用が許諾されるか。この場合の責任は明確か。
⑧義務違反時におけるペナルティが明確に定められているか。
⑨開示した秘密情報について何ら保証を行わない旨が定められているか。
⑩秘密情報の複製の取り扱いが定められているか。
⑪秘密情報の返却・破棄に関する取り扱いが定められているか。
⑫契約期間が適切に定められているか。
⑬重要条項については契約期間満了後の存続義務が定められているか。
などであるが、これは英文契約書でも同一である。これらに英文契約書独自の条項である「完全合意条項」「準拠法」「仲裁」「不可分性」などを追加するぐらいだろうか。現在、私は様々な専門書籍を参考にしつつ、作業を行っているのだが、ネット上で有益な参考資料を発見したので、この場で紹介させて頂きたい。
http://www.rpip.tohoku.ac.jp/main/himitsu.html
食品産業海外事業活動センター
http://www.shokusan-sien.jp/index.php?mo=topics&ac=TopicsDetail&topics_id=172