企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証プライム上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【今週のお題】人生最大のピンチ それは就職活動を全くしなかったこと/あやうく人生を棒に振りかけたかも?

今週のお題「人生最大のピンチ」

 
今週のはてなブログのお題は「人生最大のピンチ」。私にとって思い当たることは、大学卒業時に就職活動を全くしなかったこと。今思えば、えらいリスキーなことをしていたわけで、あやうく自分の人生を棒に振るところだった・・・。

 
一般的に大学生は3年生夏秋あたりから就職活動を行うが、当時の私は、司法書士試験の受験勉強をしながら、大阪市内の司法書士事務所でアルバイトをしていた。そのまま大学4年生になったが、相変わらず就職活動は何もしておらず。このまま卒業後は受験浪人生活(=無職)への突入を覚悟していたが、当時の事務所の社員が退職し、経営者に声をかけられて欠員補充(一応正社員)として勤務することに。その事務所で働いた期間は4年半ほどだったが、今思えばこれが大変良かった。なぜなら、大学卒業後の私の経歴に空白期間が生じなかったのだから。
当時「働きながら司法書士を目指す!」という目標があり、当初は受験勉強に対するモチベーションはそれなりに高かった私。しかし、その後何回受験にチャレンジしてもなかなか合格しないのと、司法書士業界における以下のようなブラックな一面が判明したので、ほぼやる気はゼロに・・・。
  • 零細規模のためか企業が加入している厚生年金や組合健康保険などはなく、自腹で国民年金や健康保険(国保)に加入しなければならず、福利厚生が極めて不安(特に国民年金では定年後の年金が月6万円と低い)。
  • クライアントである銀行や不動産会社から「先生、先生」と呼ばれる立場でありながら、仕事をもらうために定期預金を積み立てたり、キックバックを払ったりとクライアントに対する立場が圧倒的に弱い(いつでも替えがきく存在)。
  • 仕事は顧客からの依頼を定型的にこなす作業的なものが大半で、自分のアイデアや創意工夫を生かす余地がない(さらに現在はAIやインターネットなどよって職域が徐々に侵されつつあり)。
  • 給料は一般的な民間企業に比べるとやや低めの水準。
 
現在はインターネットで検索すれば、このような情報は比較的簡単にヒットするが、当時はこのような業界の内部事情はまだまだオープンにされていなかった。その業界に入って、ようやく見えてくるという感じ。
このような先行きが見えない状況に嫌気がさした私はこの業界に見切りをつけて受験勉強から撤退し、リクナビで見つけた異業種の会社(非上場)に転職する。そして、そこを踏み台にして、その後北浜の証券会社(東証プライム)のコンプラ部門に転職し、企業法務担当者としてようやく遅咲きデビュー。ここで、ようやく天職感を実感する。何年か企業法務の実務経験を積み重ねて、現在の自社(東証プライム)に転職する。当時はキャリア・サバイバルに必死だったけれど、こうして振り返ると、我ながら相当珍しい異色のキャリアだと思う。
 
従って、私は大多数の大学生が経験するであろう人生の一大イベントである就職活動というものを全く経験していない。なので、就職活動に関して、未だにイメージがつかめていないのが正直なところ。今さら言ってもどうしようもないが、一通り経験しておけばよかったと後悔している。もっとも、当時は就職氷河期の真っただ中で、納得のいく結果を出せたかはわからないが・・・。
 

 
このように、今にして思えば、私にとって人生最大のピンチは、大学4年生の頃で、無職のまま卒業を覚悟していたあの時期だった。当時は自分のキャリアについてそこまで深く考えていなかったが、人生の分岐点はあの時期だったと断言できる。もし、あのまま就職せずに無職生活に突入していたら、上場企業に勤める現在の私はなかっただろう。
 
しかし、幸運なことに、そうはならずに紆余曲折を経て現在の私は、一人前(?)の企業法務系パーソンとしてそれなりのキャリアを構築している。人生とは本当にわからないものだなあと今にしてつくづく思う。

【転職】15年前に面接で落とされた求人企業とDODAで再会!?/東証プライム上場の阪和興業とカネカ

これまで過去に受けた法務担当者の求人について触れたことがあった。
私が最後に転職活動を行ったのは、2008年のリーマンショックの前年の夏から冬にかけての約4ケ月間。enジャパンに登録しつつ、人材紹介会社から求人案件の紹介を受けて、企業規模の大きい会社から受けていた。その中には、書類選考であっさり落とされて面接にすら到達できなかった会社もある(もっとも、以下の二社には行かなくてよかったけれど・・・)。
その一方で、書類選考はなんとか突破したが、面接で落とされた会社もある。先日ブログのネタ探しのためにDODAで法務求人をチェックしていたところ、面接で落とされた当時の会社二社を発見。それが東証プライム上場の阪和興業株式会社と株式会社カネカだ。いずれも世間的にはかなりの大手クラスで、逃がした魚は大きかった・・・。
 
久しぶりの再会(?)なので、これらの会社に面接を受けた当時のやりとりなどを記したい。ちなみに、私は面接に際してこれらの会社とは秘密保持契約書を締結していないので、別にブログに書いても構わないだろう(笑)。もし、これらの会社に応募する人がいるならば、参考にしてほしい。

 
①阪和興業株式会社(東証プライム)
 
連結売上が2兆円の独立系の鉄鋼系専門商社だが、最初はお笑いの吉本興業の関連会社と誤解していた(もちろん、そのエピソードは面接時には黙っていたのは言うまでもない)。偶然だが、転職活動時期の同窓会で会った元同級生がこちらの会社で営業マンとして働いていた(その時点で当人は退職済み)。当人は食品部門に所属して、インドでエビの輸入業務に従事し、「エビを見るのはもうウンザリ」と発言していたような。私がこの会社の法務求人を受けた当時は、法務審査部という名称だったが、ネットで調べると、2021年10月に審査部と法務部に分裂して、与信管理業務と法務業務が完全に分業化されている様子。
 
面接時期:2007年秋頃
面接場所:大阪本社(現在の本社地とは違う旧本社)
面接官:部長1名、課長1名、人事1名
所要時間:40分ぐらい
聞かれたこと:
・志望動機
・これまでのキャリア
・得意なスキルや自己PR
落とされた理由:推測だが、この求人は純粋な法務担当者ではなく、決算書の読める与信管理マンを求めていたフシがある。現在はともかく当時の私はそのスキルはなく、あえなく撃沈。あと、落とされたのはしょうがないけど、せめて交通費ぐらい払ってほしかった。
 
ちなみに、DODAに掲載されている求人内容の仕事内容によると、
 

 【大阪】法務 ※東証プライム上場/大手鉄鋼商社/年間休日120日(土日祝)

<東証プライム上場企業の法務ポジション/キャリアアップ可能/コロナ下でも安定した経営基盤/ワークライフバランス充実◎>
■職務内容:
・和文・英文契約書の審査、作成
・紛争対応、訴訟対応
・M&A等を始めとする法務業務
・子会社管理体制の構築や会社規程の整備、社員研修等
■配属部署:
法務部は創設されてからの歴史は浅いものの、社内では強化発展を期待されています。メンバーは、新卒入社はおらず、ほぼ全員が転職枠での入社となりますが、定着率も高く、コミュニケーションを活発に行い、日々奮闘しております。
■当社の特徴:
1947年設立の独立系総合商社で、鉄鋼をはじめとして非鉄金属・金属原料、食品、燃料、化成品、木材、機械等の国内販売及び輸出入を主たる業務としております。
特に鉄鋼業界での存在感は大きく、ユーザー・メーカーとも強い結びつきを有しております。
・拠点展開…国内外でM&A(合併/買収)や拠点拡充を加速させており、パートナーシップの拡大に取り組んでおります。

 
とあり、法務担当者としては極めてオーソドックスな求人内容。転職クチコミサイト(Openwork)で確認すると40代になると年収1000万を突破するようで、この会社の給与水準は相当高い。
 
②株式会社カネカ(東証プライム)
 
樹脂、食品、医薬中間体、電子材料など安定した多角化経営の化学メーカー。2022年3月期の連結売上は6900億 営業利益436億で、業績好調の優良企業。私が受けた当時の法務部門の名称は「法務室」という組織名だったが、そのまま変わっていないようだ。大阪梅田のフェスティバルタワーという一等地に本社を構える。クチコミサイトを確認すると、メーカーらしく20代は給与は低く抑えられているが、30代半ばから上がり始める感じ。
 
面接時期:2007年秋頃
面接場所:本社
所要時間:40分
面接官:マネジャー1名、人事1名
聞かれたこと:
・自己紹介と自己PR
・志望動機
・これまでのキャリア
・入社した場合、どのように貢献できるか。
落とされた理由:不明。
 
求人内容の職務内容を確認したところ、
 

【大阪】<WEB面接可>法務担当※東証プライム上場の化学メーカー※

■職務内容:
法務業務全般(英文を含む契約書全般と広告宣伝物の法的相談・審査)、庶務業務など※和文英文の割合 和文8:英文2
<役割:主任職の場合>
・法務業務全般について、事業上の要請を整理し、必要なアクションを自ら考え、適宜上位職に報告・連絡・相談をして助言と承認を得ながら、必要に応じて下位職を指揮し、的確かつ迅速に対応する。
・業務の改善を常に意識し、改善ポイントを上位職に提言する。
・法務業務、プロジェクト案件への対応の場を通じて、動機付けしながら下位職の育成を図る。
<役割:担当職の場合>
・法務業務全般・庶務業務について、事業上の要請を整理し、必要なアクションを自ら考え、適宜上位職・指導員に報告・連絡・相談をして助言と承認を得ながら、的確かつ迅速に対応する。
■組織構成:合計9名:幹部職3名(室長含む)、一般職6名
■仕事のやりがい・魅力:
事業部門ごと、法律ごと等の担当制を採っていないため、多種多様な契約書・広告宣伝物を経験でき、幅広い分野で能力開発を行うことができます。新人には必ず先輩指導員が付き、1~2年間一緒に業務をし学んでいただける環境です。また、自由闊達な風土を大切にしています。自身で悩み考えて作成した契約書が、依頼部門の行動・利益に繋がったときに達成感とやりがいを感じることができるポジションです。
■キャリアパス:
当面は法務室でご活躍いただくことを想定しています。将来的には法務室の中核的人材となっていただくようにキャリアアップを支援することはもちろんのこと、キャリア志向性・能力・適性を踏まえ、事業部門や海外法務部門へのローテーションなども検討します。

 
とある。法務部門の人員はすでに9名もいるので、別にせっぱつまった求人ではなく「優秀な人がいれば採用する」という大手企業によくある採用方針だろう。ただ、商材が幅広いグローバルメーカーなので、入社できれば、ジョブローテーションで様々な経験を積むことができそう。
これらの二社はいずれも業績安定のグローバル色も強い優良企業なので、法務パーソンとして、貴重なキャリアを積むことができるだろう。もし、入社できたならば、ぜひ同社の法務部門の将来を担うつもりで活躍してほしい。
 
余談になるが、(結局、これらの二社とはご縁がないまま)転職活動を終えて自社に入社した私。その後しばらくしてから、自社と阪和興業やカネカの関連会社との取引基本契約書(先方書式)を審査する機会があり、この再会(?)になんとも言えない複雑な心境を抱いたのを覚えている。
 
結局、(法務部門が作成に関与したであろう)相手型の取引基本契約書について、かなり細かく修正(=ダメ出し)しまくって、向こうから提示を受けてものらりくらりとして、なかなか同意しなかった。ただ、これは別に過去の転職活動時に落とされたことを根に持っているわけではないので、誤解しないように・・・。
 

【プライベート】家族全員が新型コロナウイルスに感染/感染から隔離終了までの10日間の記録

1.ついにコロナウイルスに感染

先月の話になるが、私を含む家族4人がコロナウイルスに感染してしまった。おそらく感染経路は息子が通っていた学校だと思う。息子が在籍しているクラスでは複数の感染者が発生し、学級閉鎖をしていたぐらいなので。その結果、あっという間に家族全員まで感染が拡大。その結果、我が家は10日間にわたって自宅療養していたが、その様子を振り返りたい。

 
<0日目>
2~3日前から長男のクラスで複数の感染者が発生し、長男も遅れて体調の不調を訴える。当日朝に39度超えの発熱で、学校は休ませることに。私も会社を休み、一緒に病院に行ってPCR検査を受ける。結果は、翌日に病院から連絡を受ける予定。とりあえず、薬をもらって帰宅する。この時点で妻も娘も発熱症状が現れはじめる。頭痛でぼんやりしながらも、厚生労働省のHPを読んで、今後の事を考える。 

<1日目> 
翌日昼前に病院から検査結果の連絡を受ける。予想通り私と息子は二人とも陽性。医者からは「本日から10日間の隔離措置になります。詳しいことは保健所から連絡がありますので、それに従って下さい」と伝えられる。こうなると、おとなしく自宅でひきこもるしかない。会社にもすぐに連絡を入れて、仕事の引継ぎについて打合せを行う。この日の最高体温は38.5℃。

 
思ったほど体温が上昇しないのは、事前にワクチンを接種していたおかげかもしれない。また、味覚障害や嗅覚障害などもなかった。
<2日目>
体温は38℃前後。のどが痛く、鼻水が良く出るので、しょっちゅうハナをかむ。これだけでも疲れてくる。こうなるとインフルエンザとたいして変わりないのでは?という印象。食欲は普通にあるので、ひたすら栄養のあるものを食べて、十分に睡眠を取る。地元の保健所からメールが来て、指定されたサイトに症状などを入力する。あと、地元の福祉事務所に電話して、食料品の支援物資の提供を依頼しておく。寝るときにも手元にお茶を入れたペットボトルを置いておき、夜中に飲んで水分補給する。

 
<3日目>
体温は37℃少し。安静にして過ごす。相変わらず鼻水が止まらない。ティッシュがすごい勢いでなくなっていく。セキも止まらず、喉が痛くてヒリヒリする。飲む系のゼリーでのどを冷やす。

<4日目> 
体温は37℃少し。まだ喉が少し痛い。福祉事務所から食料、ティッシュなどの支援物資(2箱)が自宅宛てに送付される。食料は、インスタントラーメン・冷凍ごはん・お菓子・パン・サバ缶など様々。合計金額で1万円以上はするかもしれない。これも税金からの支援で、ありがたい。大切に使わせてもらおう。

 
<5日目> 
体温は36℃の平熱に戻るが、まだ少し鼻水が出る。
 
<6~7日目> 
鼻水がとまり、体温は平熱に戻る。この時期になると、おおむね感染前の体調に戻った感じ。
 
<8~10日目> 
体調は戻ったが、10日間の隔離ルールがあるため、自宅で映画を鑑賞したり、Kindleで読書したりして時間をつぶした。このあたりになると、手持ち無沙汰で退屈。
 
 
このような感じで、10日間の隔離期間は無事に終了して、現在は日常通りの生活を送っている我が家。体調不良は4日目までぐらいがピークで、あとはすんなりと快方に向かった感じ。特に味覚障害や疲労感などの後遺症はない。
 

2.隔離期間中にしたこと

自宅療養期間が10日間というのは、意外と短いようで長い。私の場合、以下のとおり時間をつぶしていた。
 
①Amazon Kindle Unlimitedで読書
私は、コロナ禍に入る前からAmazonの電子書籍読み放題サービスに加入していたが、これは自宅療養中の暇つぶしにはうってつけ。漫画やミステリー(クイーン・クリスティ)を読み倒していた。
②Amazon PrimeやNetflixで映画鑑賞
外出せずに映画を鑑賞できるのは本当に便利。手あたり次第に興味がわいた映画を鑑賞する。
③ゲーム
以前にも紹介したPS4「ELDEN RING」をプレイ。おかげで終盤近くまで進めることができた。あと少しでクリアできそう。現在、レベルは150ぐらいで、裏ボスといわれる「ミケラの刃 マレニア」と対戦中。さすがにフロム史上最強ボスと言われるだけあって、全く歯がたたない。

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こんな感じで、10日間の自宅療養を終えた私たち家族だが、こうして振り返るとサブスク・サービスの恩恵を受けていたわけで、退屈することはなかった。

コロナ禍から丸2年が経過して、感染者が急増している中、ついに我が家もコロナウイルスにやられてしまった。今は家族全員は快復して元通りの生活を送っているが、まだまだコロナ禍は続きそう。一体いつになれば終わるのだろうか?

 

【企業法務】パナソニックの指定価格導入が業界に波紋!?/独占禁止法と再販売価格指定の禁止

今回は真面目な企業法務ネタ。
 
先日、東洋経済のニュースサイトで以下の記事を目にした。私はここ何年間も家電量販店で買い物していなかったので、全く初耳の話。
 
これはいわゆる独占禁止法における「再販売価格指定の禁止」が論点。例えば、メーカーA社が卸売業者(商社)B社に対して、商品を10,000円で販売したとする。すでに商品の所有権はA社からB社に移転しているため、B社が小売業者C社に当該商品を販売する場合、その金額をいくらにするかはB社の自由。仮にB社が商品を15,000円で販売して5,000円の利益を得てもいいし、商品を8,000円で販売して2,000円の赤字を出しても、それについてA社は何の口出しもできない。これが大原則。
 
          ➝商品           ➝商品
    A社            B社            C社
         10,000円←       15,000円 or  8,000円←         
        
 
この場合、A社が「ウチの商品を安売りされると商品イメージが悪化するので、必ず13,000円以上で販売して下さい。そうしないと、今度からB社にウチの商品を販売しません」と強制する行為は、「再販売価格指定の禁止」に該当し、独占禁止法に違反する。独占禁止法の目的は「公正かつ自由な経済競争の促進」にあり、特にメーカーが市場をコントロールしようとする動きはNG。
 
その詳細は、公正取引委員会が公表している「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」に細かく解説されており、メーカーや商社の企業法務担当者にとってはバイブルといっていい。私もこちらの指針は暗記するぐらい何度も目を通している。私も社内クライアントから独占禁止法に関する相談を受けるたびに、まず確認するのは、六法全書ではなくこちらの指針。
 
ただし、本指針では、再販売価格の指定に該当しない例外事由が二つ記載されている。
 
(7) なお,次のような場合であって,事業者の直接の取引先事業者が単なる取次ぎとして機能しており,実質的にみて当該事業者が販売していると認められる場合には,当該事業者が当該取引先事業者に対して価格を指示しても,通常,違法とはならない。
 
①委託販売の場合であって,受託者は,受託商品の保管,代金回収等についての善良な管理者としての注意義務の範囲を超えて商品が滅失・毀損した場合や商品が売れ残った場合の危険負担を負うことはないなど,当該取引が委託者の危険負担と計算において行われている場合
 
②メーカーと小売業者(又はユーザー)との間で直接価格について交渉し,納入価格が決定される取引において,卸売業者に対し,その価格で当該小売業者(又はユーザー)に納入するよう指示する場合であって,当該卸売業者が物流及び代金回収の責任を負い,その履行に対する手数料分を受け取ることとなっている場合など,実質的にみて当該メーカーが販売していると認められる場合

 

東洋経済の記事で言及されているのは、この例外規定となる。これまでメーカーは、商社の取引でリベートを支払ってもよいから、とにかく商品を売りさばいてもらう、という風潮が根強かったが、パナソニックは、品質保証責任や在庫リスクを負担してもいいから価格コントロールをしていくという戦略に切り替えたのだろうか。
 

 
そういえば、値引き交渉といえば、思い出すのが数十年前に私が初めて購入したNECのノートパソコンの話。大阪なんばの家電量販店を訪れて店員さんと価格交渉して1~2万円ほど安くしてもらったけれど、それでも最終的に30万円ぐらいした(今思えばスペック的にはたいしたことないのに)。
 
その当時は、Amazonや楽天といったECサイトはまだ存在せず、家電量販店で実際に商品を見た上で、店員と価格交渉する光景が日常茶飯事。かたや今やECサイトでの買い物が当たり前になり、立場が逆転。これも時代の移り変わりか・・・。
 

【今週のお題】SFといえば「銀河英雄伝説」でしょう!/国産SFスペースオペラの最高傑作

今週のはてなブログのお題は「SFといえば」らしいので、私も参加してみることに。
 
最初は、アーサー・C・クラークあたりの作品かなと考えたが、気が変わった。あくまで国産SFに焦点を絞って「銀河英雄伝説」(田中芳樹)を取り上げたい。
ご存じ、「銀河英雄伝説」は、田中芳樹が生み出したSF興亡史&群像劇で、本伝10巻と外伝5巻という大ボリュームの小説。もともと前身は「銀河のチェスゲーム」という懸賞応募小説で、その過去の時代がクローズアップされたのが本作となる。

私が初めて原作を読んだのは中学生の頃で、すでに本伝は完結していた。物語は、「常勝の英雄」ラインハルトと「不敗の魔術師」ヤン・ウェンリーの対決を中心にしつつ、宇宙戦艦同士の戦闘だけではなく、政治劇も描いている。特に民主主義の在り方などについて触れているのが特徴的で、原作後半に進むにつれて「後世の歴史家は・・」というように歴史書めいた描写が多くなっていく。
 
「戦略は戦術を凌駕する」ということも描かれ、個人的には大いに感銘を受けた作品。思春期の頃にがっつり読んだせいか、作品で描写されている政治観や権力観などについて、自分の人格形成にかなり影響を受けた。
さらに、「銀河英雄伝説」は、漫画やアニメとマルチに展開しており、これらから原作を知った人も多いはず。いったんアニメ化されたが、2018年からリメイク版から始動するなど、人気は根強い。(時期にもよるが)これらはAmazonプライムやGyaoでも鑑賞できる。
宇宙戦艦同士の戦術シミュレーション・ゲームという位置づけで何度もパソコンゲーム化されている。あの当時、子供で高価なパソコンが買えなかった私は、ボードゲームで我慢していた涙ぐましい思い出が・・・。
 
「銀河英雄伝説」の世界では、エイリアンもロボットも登場せず、典型的なSF描写はどちらかというと控え目。恒星間旅行や戦艦同士の戦闘ぐらいで、それほど現実離れしたSF臭はないかもしれない。それでも国産SFといえば、「銀河英雄伝説」を強く推したい。

【書評】「インベスターZ」三田紀房(講談社)/お金の教科書!?マネーリテラシーを磨くにはお勧めの経済漫画

Kindle Unlimitedで漫画「インベスターZ」を全巻一気読みしたので、その感想を少し。作者は、「ドラゴン桜」や「エンゼルバンク」で有名な三田紀房氏。

 

北海道札幌市にある道塾学園に主席で入学した財前孝史は、学園では秘密とされている投資部に入部する。その投資部では中学1年生から高校3年生まで各1名ずつ選ばれた計6名が投資資金の運用により学園の運営費を稼いでいた。もともと野球部を志望していた財前だが、しぶしぶ投資部の一員として活動を行う・・・・というストーリー。一応、学園ものだが、恋愛やスポーツなどの青春的なイベントはなく、お金にまつわる話が続く。

 

 
漫画なので、あくまでフィクションだが、実在する企業だけではなく、堀江貴文や前澤友作といった著名人が登場するので、リアリティがあるのが特徴。投資だけではなく、お金の仕組みや保険のカラクリなど経済全般について触れられており、マネーリテラシーの入門書としては最適だと思う。学校の教材にしても良いぐらい。
現代のように先行き不透明な世の中では、お金との上手な付き合い方(=マネーリテラシー)が求められる。マネーリテラシーを向上させるには、書籍や動画などで知識を身に着けることも必要だが、実際に自分自身が行動して成功や失敗を繰り返すことも大切。
この作者の特徴だが、「インベスターZ」に限らず、「ドラゴン桜」や「エンゼルバンク」等の作中において、登場人物が世の中の真理をズバリと言い切るシーンがたびたび登場する。ある意味、読者に対して新しい視点を与えてくれるわけで、それがこの作者の真骨頂だと思う。

私が「インベスターZ」を読んだのは、Kindle Unlimitedの対象期間中。従って、実質無料で一気読みできたが、機会があれば読んでみることをお勧めしたい。

 

【ゲーム】全てのファンタジーRPGの原点は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」にある!?/海外ドラマ「ストレンジャー・シングス」のキーファクター

1.海外ドラマに往年の名作ゲームが登場

ある日の出来事。
 
私が会社から帰宅して一服していると、妻から「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ってボードゲームを知っている?」という質問を受けたので、驚いた。知っているどころか、なにを隠そう学生時代はバリバリ(?)の現役プレイヤーだったから。当時は、よく自宅や友人の家に集まってテーブルトークRPG(ダンジョンズ&ドラゴンズ、ソードワールドRPG、ロードス島戦記RPG)をプレイしていたものだ。今となっては我が青春時代の一コマと言えばいいのだろうか。
そもそもなぜそんな事を聞いてくるのか。疑問に感じて妻に聞いてみたところ、どうやらNetflixで放映されているSFミステリードラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」に主人公達が「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をプレイしているシーンが頻繁に登場するとか。
 
スクールカーストの下位に位置する主人公達は、自宅の地下室で「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を楽しんだり、学校生活を送っていた。ところが、ある日不可解な出来事に遭遇し、未知のモンスターと対峙する・・・(というストーリーらしい)。
 
そこで、元ベテランプレイヤー(?)である私から、妻に「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の何たるかについて、以下のとおりレクチャーすることに。
 
私「いわゆる剣と魔法のファンタジー世界を舞台としたアナログ的なごっこ遊びで、ダンジョンマスター(DM)がゲームの語り手をするだけではなく、敵やNPCのキャラクターを演じるんだよ。プレイヤーは戦士・盗賊・僧侶・魔法使いなどのクラスを選んで、能力値はサイコロでランダムに決める。敵との戦闘や運だめしもサイコロを使う。DMは事前にストーリーやダンジョンの構成やモンスターの配置を決めておく。モンスターの能力は、ルールブックに決まっており、戦闘になると、プレイヤーとDMはサイコロを振り合って、勝敗を決める。基本的にDMの用意したシナリオどおりに進めるのが理想的で、最終ミッション(ラスボスの撃破・アイテムの回収・目的地の到着等)をクリアすれば、そのゲームは終了する。ただ、同じDMとプレイヤーで複数回のゲームを連続でプレイするいわゆるキャンペーン形式で行うことも多い(コンプティークで連載された当時のロードス島戦記がそう)。要するに、ドラクエやFFなどのコンピューターRPGは、コンピューター(運営側)と人間(プレイヤー)という位置づけにある一方、人間同士がワイワイガヤガヤしながら、時にはアドリブを交えて楽しむ。これがテーブルトークRPGの面白いところかな。だからボードゲームとは少し違うんだよ。わかったかい?(ふう、これだから素人は困るんだよね)」
妻「う~ん、わかったような、わからんような・・・。」
 

2.D&Dは全てのファンタジーRPGに通じる道!?

実際のところ、「ストレンジャー・シングス」をきっかけに「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が再び注目を浴びているらしい。それはそれで大変すばらしいことだ。コンピュータ・ゲーム全盛期の現代だが、これもよい体験になるだろう。
 
かなり乱暴な言い方をさせてもらうと、現在のあらゆるファンタジーRPGの原点は、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」にあると言いたい。例えば、1980年代に大ヒットしたファンタジー小説の「ドラゴンランス」や「ロードス島戦記」(特にコンプティークに連載されていた当時のⅠとⅡ)は元来は「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をベースに誕生したもの。これを知る人は相当玄人のはず。
また、同じく80年代に大流行した東京創元社や社会思想社のゲームブックは、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のようなテーブルトークRPGを一人でもプレイできるようにするという発想から生まれた。
さらに、今年の2月に発売され、全世界で総売上1300万本を記録した大ヒットゲーム「ELDEN RING」のプロデューサー宮崎氏は、過去のインタビューにおいてダークファンタジーの原体験はゲームブックの「ソーサリー!」シリーズと発言している。
 
こうなると、全てのファンタジーRPGは、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」に通じる、と言っても過言ではないことがお分かりのはず。
 
もっとも、さすがにいい年になった私が学生時代のように「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のようなテーブルトークRPGをプレイすることはない。ただし、ファンタジーRPGへの興味や憧憬はいくつになっても忘れ難く、あの当時の子供心を忘れないためにも、できる範囲で様々な作品に触れるようにしている。

3.まとめ

しかし、数十年前にプレイしたアナログゲームについて、妻にウンチクをたれて、解説する機会があろうとは、子供時代の私には全く想像もつかなかったから不思議(まあ、当たり前だけど)。しかし、考えてみれば、人間の人生も、「時には運(ダイス)に翻弄されながらも、学校や会社というステージ(ダンジョン)のクリアを目指して自分の役割を最後まで演じきる」という側面があるような気がする。
 
とすると、人生もテーブルトークRPGも一人のプレイヤーとして参加していることに変わりなく、両者は根本的に似ているのかもしれない。
 
 

【プライベート】京都国際マンガミュージアムで開催中の谷口ジロー展を訪れる/「孤独のグルメ」「神々の山嶺」の原画などが公開

先日、京都市下京区の烏丸駅周辺を妻と訪れる用事があった。その用事自体は短時間で終わったので、せっかくここまで足を運んだので、近所で開催中の谷口ジロー展を見に行くことにした。
展示会が開かれている場所は、地下鉄烏丸御池駅の近くにある京都国際マンガミュージアム。国内最大規模の漫画博物館で、建物自体は廃校になった小学校を再利用したもの。館内には5万冊もの漫画が保管されており、入場料を支払えば、それらが読み放題となかなかお得なスポット。

 
お目当ての谷口ジロー展は管内の2階にスペースが設けられていた。ボリュームとしては多過ぎず少なすぎずで、ゆったり見れば1時間もあれば全ての原画を鑑賞できるだろう。

展示物は著作物にあたるが、「SNS利用目的で写真撮影は可」という注意書きがあったので、遠慮なくスマホで撮影することに。

 
それほど多くはないけれど、同氏の代表作「孤独のグルメ」の原画も何点か展示されている。

 

kigyouhoumu.hatenadiary.com

 

同氏の作品は、日常生活を描いたほのぼのとした作品が多いのかなと思っていたが、キャリアの初期には、ハードボイルドや格闘系の漫画も描いていたらしい。なるほど、「孤独のグルメ」で有名なアームロックの場面(=主人公がアルバイトを叱りつける店長に制裁を加えるシーンで、ネットミームとしては有名)はこれが原点なのかと、一人納得(?)する私。

 
なお、展示会にタイミングを合わせたのか、1階の目立つ場所には同氏の漫画も数多く展示されており、好きな作品を読むことができる。

 
せっかく京都まで来たのだから、以前から読みたいと思っていた以下の漫画を読んだ。私のように結婚して子供が生まれて父親の立場になると、なかなか感情移入してしまう。こちらはフランスでも実写映画化された名作。

 

これまで私が同氏の作品に触れたのは、「神々の山嶺」「孤独のグルメ」ぐらいで、その細かい描写には圧倒されたもの。しかし、ハードボイルドや近未来SFなど幅広いジャンルの作品も発表していたとは知らなかった。Kindle Unlimitedでもそれらの作品の一部を読めるので、少しずつ目を通すことにしたい。