企業法務担当者のビジネスキャリア術

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【契約審査】期限の利益喪失条項

本日、当社の取引先が会社更生法を適用申請したとの一報が入り、与信管理部門である私の所属部門は朝からバタバタとしていた。当社と相手方とは相互に売掛債権を有しており、相殺の可否について検討したのだが、会社更生法によると、相殺について以下のとおり明記されている。
第48条(相殺権)   1.更生債権者等が更生手続開始当時更生会社に対して債務を負担する場合において、債権及び債務の双方が第138条第1項に規定する債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、更生債権者等は、当該債権届出期間内に限り、更生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。債務が期限付であるときも、同様とする。
すなわち、自社の債権の弁済期は相殺届出期間内でなければ、相殺することはできないのである。そのため契約実務では、取引基本契約書において「当事者の一方が破産手続、会社更生手続、民事再生手続の申立を行ったときは、相手方に対する債務に関する期限の利益を喪失する」と明記することとされている。いわゆる、期限の利益喪失条項である。 当然ながら、当社が相手方と締結している取引基本契約書に上記条項が明記されており、当社の債権は保全されることになり、一安心した次第である。本条項は、地味ではあるものの、このような場合に非常に強力な効果を発揮する。改めて、取引基本契約書の重要性を認識した瞬間であった。