企業法務担当者のビジネスキャリア術

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【契約審査】契約交渉において相手方の言質をとってしまう方法

1.契約交渉のテクニック 契約審査を行って、適切と判断する修正案を起案したとしても、相手方にいかにしてそれを受諾させるのが腕の見所であるとは、以前に述べたとおりである。ここで、そのために私が時折使用している契約交渉テクニックを紹介する。相手方が上場企業であるなど、ある程度規模の大きな会社である場合、自社の企業憲章や企業方針などをHPなどで公表していることがある。その中で「取引先と公正な商取引を行うことを心がけます」「公平な商取引」などがある場合、これを逆手にとるのだ。 2.相手方の企業理念を利用して交渉を有利に運ぶ そこで、一方的に不利益な条項がある場合において、これを公平な形式に改めるには、「貴社の企業理念において明示されているとおり、今回弊社との取引を公平な形式で遂行するためにも、恐れ入りますが、原案を以下の修正案に変更することをご提案申し上げます。」というコメントをつけて当社対案を提示するようにしている。これは、契約書の前文や第1条において「本契約を信義則に基づいて公平かつ公正に締結する」と明記している場合にも、これを言及して交渉にもっていくことができる。 なまじ企業規模が大きく、CSRなどを強く推進している会社などは、企業理念や調達方針をHPなどで公開しており、これを契約交渉の材料にとりこんでしまうのだ。私もこの方法で某東証一部上場企業数社に対して、自社修正案を受諾させたことがある。興味を持たれた方は、ためしに使用してみてはいかがだろうか。 blogram投票ボタン 1クリックお願いします!