企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

「高学歴ワーキングプア」(水月昭道/光文社)

1.目次  第1章 高学歴ワーキングプアの生産工程  第2章 なぜか帳尻が合った学生数  第3章 なぜ博士はコンビニ店員になったのか  第4章 大学とそこで働くセンセの実態  第5章 どうする?ノラ博士  第6章 行くべきか、行かざるべきか、大学院  第7章 学校法人に期待すること 2.感想  本書は、2007年に立命館大学の非常勤講師による著作である(ただし、現在もその職にあるかは未定である)。本書には、内部関係者としての立場から大学院の実態(増設の背景、就職問題)が細かく描かれている。著者の主張は、現在大学院が増加し、その修了者の就職問題が生じているのは、文部省と東大法学部が自らの既得権を守ろうとした結果であるというものだ。 特に印象に残ったのが、第3章において紹介されている博士号取得者の生活実態だ。いずれも大学院において専任教員になれないがために、塾講師、コンビニ店員、パチプロなどで糊口をしのいでいる姿がリアルに描かれている。私は大学院生というと、勉強好きな頭のいい人でいずれ講師、准教授、教授になる人なのだろうと思っていたが、事実は全くそうではない。あまりにも大学院生が多くなりすぎた結果、そのパイが極端に減少し、就職口にあぶれる大学院生が続出することになったのだ。 http://www.j-cast.com/2009/05/17041154.html http://shinka3.exblog.jp/7071970/ また、第5章で法科大学院生も簡単に紹介されている。私が法科大学院を目指していたことは以前にも紹介したが、法科大学院を卒業しても新司法試験に合格できなければ(合格しても現在は就職も困難な状況なのだが)、「法務博士」という肩書がついた「ただの人」になってしまう。皆さんもご存知のとおり現行のシステムでは、かなりの時間と労力を費やして法科大学院に入学しても高学歴無職者が誕生することは避けられない仕組みとなっている。従って、本書を読むと改めて法科大学院に行かなくて(正確には入試不合格のため行くことができなかったのだが)正解だったと思う。私はあやうく人生を狂わされるところであった。 そういえば、私の司法書士事務所の勤務時代に同年代の女性アルバイトがいたが、彼女は法学部の大学院生だったと思う。あれからかなりの年月がたっているのだが、彼女はどうしているのだろう。本書に描かれているように、専任講師になれずに大学院に所属しつつアルバイトをしているのだろうか?それとも結婚してその道をあきらめたのだろうか?もはや名前も顔も忘れてしまったが、彼女の幸福を祈りたい。 blogram投票ボタン 1クリックお願いします!