1.とある契約交渉事例
少し以前のケースだが、ある取引先より提示された取引基本契約書について、自社にて対案を作成して、何回かの交渉を経て最終合意に至ったということがあった。そして、相手方より「これまでの交渉結果を反映させた最終案を送りますので、御確認下さい」と最終案が営業担当者を通じて私宛に電子メールにて送信されてきたので、「この相手方とは何回も対案を提示し合って合意にたどりつくまで苦労したなあ」とこれまでの経緯を思いつつ、早速内容を確認した。
すると、自社にとってリスク箇所であるため変更を要請し、相手方も了解したはずの箇所がいくつか反映されていないではないか!これではとても同意することはできないため、相手方に対して、「これこれの箇所について双方合意済みの内容となっておりませんので、お手数ですが、再度作成願います」という要請を行った次第…。
2.最終チェックの重要性
いくら契約交渉が成功裡に
終結したといっても、最終契約書案において自社の要求事項が適切に反映されていないことを見過ごしたままならば、企業法務担当者として失格である。相手方より「当事者間で最終合意済みの契約書です」と言われると、ついつい気がゆるんでしまいがちだか、そのようなときだからこそ、緊張感をもって契約書最終案と過去の契約審査資料とを比較して、緻密に最終チェックを行うことが大事ではないだろうか。
このような場面に象徴されるように、企業法務担当者は、他職種と比較すると、根気強さ・粘り強さ・緻密さが要求される場面が存在するといえるのだが、私自身も戒めていきたい。
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