今回は、なんとも哲学的なタイトル。
昨年、ある友人が別会社に転職。それをきっかけに妻と「会社員はどのように時に会社を辞めようと思うのか?」で話をすることがあった。私自身、3回の転職歴があるため、それなりのベテラン転職者(?)としての考えを言わせてもらうと以下のとおり。
①給与に不満だから現在の給与が不満で、年収をアップするために別会社に転職するパターン。②人間関係に不満だから同僚や上司との人間関係が悪く、日々ストレスを受けている。そこで、転職して人間関係をリセットするパターン。③やりがい、キャリアに不満だから今の仕事では自分がやりたい仕事ができそうにない。そこで、自分が望むキャリアを構築するため転職するというパターン。
これらのネガティブな状況を解消するために、人は転職という人生の一大イベントに乗り出す(この3点以外に親の介護や配偶者の転勤に伴って会社を退職する人もいるだろうが、それらはここでは割愛)。逆に言うと、人は①から③について多少の不満があっても、おおむね許容範囲内ならば、無理に会社を辞めて転職しようとは思わない。それは転職には常に一定のリスクが付きまとうからだ(特に②についてはどれほどリサーチしても入ってみないとわからない)。
しかし、いつかのタイミングで①~③のどれか一つでも臨界点を突破すると、多少のリスクを許容しても良いから、「もう我慢できん!転職するぞ!」という意思が固まる。
かくいう私の場合も、過去を振り返れば、転職しようとした理由はいずれも③だった。「法務という仕事をやってみたい」「一通り法務の基本は習得したけど、更にこの道を究めてみたい」という願望が湧きあがり、転職活動を始めたもの。
そういえば、ひと昔に比べると、転職は本当にメジャーになった。テレビをつければ、CMが頻繁に放映されているし、スマホアプリまでリリースされているくらいだ。昔、同じ課の若い後輩と話をした際、「今の僕たちは転職に何の抵抗もないっすよ」と言われたことがあった。それから一年半経過して当人が本当に転職したときは驚いた。
転職とは、文字通り「伝家の宝刀」だ。使わないにこしたことがないが、やむを得ない場合(上記①~③の事情があるとき)には、抜くしかないだろう。