企業法務担当者のビジネスキャリア術

転職経験が豊富な企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【転職】40代の転職活動体験記 その6(退職届編)/立つ鳥跡を濁さずを実践するべし!?

先日、とあるブログで「転職先から内定をもらったので、上司に退職届を提出したら、引き止めにあった。どうしよう・・・。」というくだりの記事を見かけた。私の場合、過去に転職する際に上司に退職届を提出したことは何度もあるが、幸か不幸かそのような経験は一度もない(汗)。
 

 

1.ドキュメント退職届2023

例えば、直近の前職のケースを思い出すと、1月下旬に転職活動スタートして内定をゲットしたのが3月上旬の金曜日。そこで、土日に自宅で退職届を作成して月曜日の朝一番に上司に提出した。その時の模様はおおむね以下のような感じ。
 
①打合せ時に使用するクリップファイルに退職届を挟み込んでおく。
②クリップファイルを持ちながら「少し相談がありまして・・・」と上司を個室に呼び出す。
 
上司「わざわざ個室で?いったい何事?」
私「・・・すみません、相談というのはウソです(ペコリ)。実は、私は少し前から転職活動をしてまして、内定を頂いたので4月末日で自社を退職します。こちらが退職届です。」
上司「えええ~~~! マジで!?」
私「急な話ですみません。自分なりにこれからの人生とキャリアを考えた上で、この選択肢しかないと考えてまして(キリッ)。ちなみに、次に勤務する転職先はこちらの会社で、同業他社ではありません(おもむろに人材紹介会社の求人要項をデスクに広げる)。」
上司「・・・・。(まじまじと見入る)」

 

別に退職届を提出する際にわざわざ転職先の求人要項(社名・職位・仕事内容・給与などが記載された募集要項)を見せなければならないというルールはどこにもないが、私なりに転職先が自社のライバル企業でないことの気配りをしたつもり。そして、私の年収を把握している上司がこの求人要項を見れば、職位(非管理職➝管理職)や年収等の待遇面がアップしていることは一目瞭然。つまり、私としては「引き止めしてもどうせ無駄ですよ」という暗黙の意思表示をしたわけ。

あとは上司の上司を含む関係者が次々に呼び出されたので、私から同じ説明を繰り返す。
  • 4月末日をもって退職すること
  • 転職先には5月1日から入社すること
  • 4月6日が最終出社日で翌日から有給休暇の消化に移るので、それまでに引継ぎを行うこと
そうこうして私の退職届が正式に会社に受理され、仕事面の引継ぎを開始する。同時に社内の親しい人には個別に声をかけて退職する旨を告げて、今までお世話になったお礼を伝える。
 
その一方で、転職先の入社に備えて準備(これまで培ってきた法務ノウハウの整理整頓・業界知識のインプット)もしっかりと行っておく。そうしつつ、退職と転職先への入社を待つばかりだが、この不安な時期についてdodaのサイトは非常に役に立った。
 
そうこうしていると、あっという間に最終出社日が到来。その日の午後3時に社内関係者約500人に事前に作成しておいた退職メールを一斉送信する。そのうち一部の人から返信があり、こちらもホロリ。これも人生ドラマの一つ。

2.お世話になった方々への挨拶

5月に現職に入社した後、すぐに転職先の会社名で前職の取引先・法律事務所・特許事務所等に以下のような転職のあいさつ状を送付した(20数枚ほど)。同時に前職時代に所属した部門(法務審査部門&知財部門)に全く同じものを送付。
 

謹啓 若葉の候ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて、私こと4月末日をもちまして●●株式会社を円満退職し、5月1日付にて●●株式会社にて勤務することになりました。(中略)当社は●●●●●●●●●●●●●●●な会社です。

 私は、プレイングマネジャーとして、法務コンプライアンス業務全般を取り扱うことになりました。これまで培ってきた企業法務・知的財産・与信管理に関するキャリアの集大成とするべく、新しい環境において全身全霊をもって自らの職務を全うする所存です。

 今日までのご厚情に心から御礼申し上げますともに、今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

 先ずは略儀ながら書中をもって御礼かたがたご挨拶申し上げます。

                                  謹白

 令和5年5月

             住所 ●●●
             社名 ●●●
             法務コンプライアンス部門マネジャー Sabosan

 
 
まあ、どちらかと言うとこれは自分のためでもあり、企業法務系ビジネスパーソンである私なりの今後に向けての決意表明かつケジメのようなもの。

 

3.40日間の転職活動を振り返って

こうして振り返ってみると、内定をゲットした瞬間のうれしさは忘れられないが(苦しかった転職活動がようやく報われたと実感)、退職届を提出する瞬間の緊張感もなかなかに半端ないもので、記憶からは薄れない。それだけ転職というのは、当人にとって人生をかけた乾坤一擲の大イベント。しかも、私の年齢になれば、失敗は絶対に許されない一方、運やタイミングにも左右される面もあり、どうしようもないのだが・・・。
 
いずれせよ、現在の職場ではそれなりに忙しく順調に過ごしている現在の私にとっては、全ては過ぎ去った過去のこと。しかし、全てを忘れたくはないし(転職自体はこれはこれで人生を豊かにしてくれる良い経験だと思う)、こうしてブログに書き記しておこう。