1.早くも5年が経過
あの事故から丸5年が経過した。実は、私は通勤経路に福知山線を利用しているため、事故の発生する数時間前に現場を通過していたのだ。当日、事故については、前職のお昼の休憩時間に覗いたニュースサイトから知ったのだが、当初は「踏み切りで電車と自動車が接触し、不通」と報道されていた。しかし、実際にはあのような大事故であったわけである。
私も毎日福知山線を利用しているが、まさかあの場所でこのような事故がおきるとは考えもしなかった。確かに線路沿いにマンションが建っており、「えらく線路のすぐ近くにマンションが建っているのだな」と思ったぐらいだったのだが…。そのマンションは、今は住民不在のまま取り壊されることもなく健在である。近くに慰霊台が設けられており、その近くでは警備員が立っているのが、現在も電車に乗って通過したときに確認できる。
2.なぜあのような事故が起きたのか
事故の直接的な原因はもちろん運転手が猛スピードで現場に侵入し、カーブで曲がり切れなかったためであるのだが、間接的な原因は皆さんもご存知のとおりJR西日本の安全配慮義務違反であり、そのようにした経営責任といえよう。同社は旧国鉄時代の社風も残っており、現場サイドの意見がなかなか上層部に反映され難い体質となっていたらしい。そのため、列車の保安システムも十分とはいい難い状況でかなりの過密ダイヤで列車運行がなされていた。実際のところ事故現場のすぐ近くの尼崎駅は福知山線と東海道本線、東西線の乗り換えターミナルであるため、かなりの過密ダイヤで運行されていたのだ。実際のところ事故発生まで運行遅延は日常茶飯事だったと記憶している(現在は事故の影響か乗換えにはかなりの時間的余裕が設けられている)。
結局のところ、物的にも、人的にも安全対策が不十分であり続けたため、このような大事件が起きたといえよう。そうさせた同社の経営体質というのは、なかなか奥深いものがあると思われるのだが、このような事件が二度と繰り返されることのないよう、同社の体質改善をユーザーとして希望したい。
3.閑話休題
私の2歳の息子は電車好きで散歩として福知山線の某駅にたまに連れて行くのだが、これは先日妻が息子を散歩に連れ出したときのエピソードである。妻と息子はホームが見える道路から4,50分ほど10数本の電車が通過したり、停車・発車するのを眺めていた。そこからは列車最後尾が停車するところがよく見えており、最後尾車両に乗車している車掌が発車するたびに、上半身を窓からせり出して、前方を指差して出発の掛け声を行ったりするのだが、そのうち3,4人の車掌がそれを行った後、息子に手をふって挨拶してくれたそうだ。息子はそれにひどく喜んで手を振り返したらしい。
今回の事故では、同社の経営陣に原因があるとして何名かが強制起訴されているのだが、末端の現場社員には小さい子供にこのような気配りをしてくれる人がいるという事実に私は多少なりとも救われたものを感じている次第だ。
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