先日、若手会社員のAさんと久しぶりに会って話をしていると、仕事に関するグチを聞かされるはめに。
なんでも、現在の会社に入社して3年目になるが、任される仕事の多くは雑用ばかりで、全然面白くないとのこと。Aさんが所属する会社は、財閥系の比較的大手企業で、年功序列が色濃く残っている会社らしいが、そのあたりが要因かもしれない。
以下は、Aさんと私のやりとり。
A「就職活動をしていた頃は、面接官から『ウチの会社では若手でも重要な仕事が任されるよ』と言われたのに、いざ実際に入社してみると電話番や資料作りなどの雑用が多く、全然面白くない。なので、最近転職でもしようかと迷っているんですよ」
私「まあ、入社していきなり重要な仕事を任されるケースは、そうそうないのでは?まずは地道な仕事をコツコツをこなして、上司の評価と信頼を獲得することが大切だと思うけど」
A「僕も最初はそう思っていたのですが、ベンチャーに入社した友人が活躍しているのを見ると、なんかあせってきて・・。自分はこのままでいいいのかなあ、と」
私「20代の若い社員に求められるものは、専門スキルというよりも、誠実さ・明るさ・素直さなどの『人間性』だよ。なので、まずは素直な気持ちで社内のマニュアルやルールを素早く完璧にこなすことに集中した方が良いと思う。『自分流の独自路線』を打ち出すのは30代になってからでも遅くない。どうせ、今の会社員は75~80歳ぐらいまで働かなければならないのは確実だし、『会社員人生は長期戦』と割り切って、気持ちを長く持って仕事に取り組めばいいと思う。」
A「そういうものですかねえ~」
私「そういうものさ。Aさんの勤務している会社は一部上場企業だから、有価証券報告書で業績・財務情報や社員の平均年収が公開されているけど、業績は右肩上がりでかなりの優良企業じゃないの。あと、世間相場で考えると、この平均年収はかなり恵まれている方だね。なのに、2~3年で辞めるのはもったいない。もし、転職するにしても、今のAさんのキャリアでは、おそらく同じクラスの会社への転職は厳しいのでは?無理に転職しても、おそらく1ランク下の会社に下がってしまう可能性が高い。]
A「・・・・」
私「あと、周囲との人間関係は、うまくいっているんだよね?」
A「ええ、上司も同僚も良い人ばかりで、人間関係は非常にうまくいっています」
私「それじゃあ、なおさらもったいない!これが壮絶ブラック企業ならば、いますぐ退職してトンズラという選択肢はありだけれどね。むしろ、今のうちに会社のリソースを最大限使って様々な経験を積んで、自分を成長させることに専念した方がAさんにとってプラスになると思う。」
A「なるほど・・・。それじゃあ、もう少し頑張ってみます。」
というわけで、その話題は終わった。まあ、Aさんは比較的向上心も高いタイプなので、無理もないが、あせることなく、じっくり考えてほしい。私もどうこう言う資格はないが、血気盛んなAさんが若かりし頃の自分に重なって見えて、ついついおせっかいな口をきいてしまった。