企業法務担当者のビジネスキャリア術

転職経験が豊富な企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【転職】コネ転職の落とし穴  成功と失敗の紙一重なバランス/やっぱり転職は慎重に!?

先日たまたま目にしたネットの記事では、「コネを利用した転職は是か非か?」について論じられていた。その結論として、「コネは当人が持つネットワーク力のあらわれだから、それを転職に生かすのは決して悪いことではない」と締めくくられていた。その考えは多少理解できるが、現実的には一概にはそう言い切れないケースも多々あると思う。例えば、過去に私が勤務した会社で実際にあったエピソードを以下のとおり紹介したい。

・甲社のA社長は、乙社(甲社とは全くの別事業)に勤めるBさん(50代)と顔見知りで、Bさんを甲社の幹部クラスとしてヘッドハンティングした。その結果、Bさんは高待遇(年収1000万超)で迎えられる。
・その後、Bさんは乙社時代の元部下Cさんを呼び寄せて、自分の部下とする。
・しばらくしてから甲社は業績悪化に陥り、A社長はその責任をとって、辞任することになった。やがてBさんは甲社にいずらくなったのか入社1年半ほどで退職せざるを得ない状況に追い込まれる。
・Bさんという後ろ盾を失ったCさんもしばらくするとメンタルを病んでしまって甲社を自主退職した。

 

Bさんにしてみれば、「A社長が健在の間は自分の立場は安泰だろう」という胸算用があったのかもしれない。しかし、A社長の失脚によって、社内に自分の居場所がなくなり、なまじ高い年収を有していたためにリストラの対象となり退職に追い込まれたのだろう。このようなエピソードを聞くと、「コネ転職というのはリスキーな一面があるな」と感じる。

 

たとえ友人同士であっても、「仲がいい」と「一緒にビジネスをする」ということは、切り分けて考えるべきではないだろうか。会社は仲良しクラブではなく、様々な利害関係がうずまいているのだから・・・。コネで入社したとしても、きちんと成果を出すことができるならば問題ないが、そうでないならば、Bさんのように友人と仕事の両方を失いかねない。

 

転職経験がそれなりに豊富な(?)私の場合はどうかというと、私はそもそもコネという便利なツールは全く持ち合わせていないので、コネがある人をうらましく思う。親も普通の中間層で氷河期世代の私は、常に裸一貫、自分の実力と運を頼りに世の中を渡ってきた。これまでの転職活動では、自分の足で人材紹介会社を回り、求人案件を紹介してもらって、企業研究を行って優先順位をつけて、上から順番に応募を行い、運と相性に任せて面接を繰り返したもの。そして、たまたまその時に御縁があった会社に入社し、入社後に着実に実力を蓄えてきたつもり。

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逆にコネという一種のしがらみがなかったので、次の転職活動を行う際にも自分のキャリアや損得勘定をふまえてよくよく考え抜くことができたと思う。もちろん、そうして転職活動がうまくいっても、入社してからがこれまた大変なのだけれど・・・。   

kigyouhoumu.hatenadiary.com

 

いずれにせよ、コネを利用しようがしまいが、転職にはやはり成功と失敗が紙一重な面がある。しかも、入社してみないとわからない事も多く(特に人間関係など)、運に左右される面も大きいことをしみじみと実感。

コネこそ実力! コネで入って何が悪い!

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  • 作者:砂山 擴三郎
  • 発売日: 2013/05/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)