1.企業法務担当者、プライベートな相談を受ける
2年ほど前に私が社内クライアントからプライベートに関する法律相談を受けたことについて触れたかと思う。
実は、今年に入ってからも、似たような相談を受けており、そのうちいくつかを紹介しておこう。
①Aさん
Aさんは、ある地方拠点の営業マネジャーで、これまで私とは直接的な接点はなかった(一対一で話したこともない)。しかし、ある日突然、「実は、実家の駐車場の契約トラブルについて相談したい」というメールを受ける。当初は、てっきり自社の駐車場だと勘違いしていたが、よくよく読んでいると、個人ユーザ(Aさんの親族)と事業者との契約書であることに気づく。なぜ、このようなメールを送ってきたのか当初は理解に苦しんだが、どうも、Aさんは私がその拠点に出張した際の法務研修に参加していたらしく、私の話しぶりから「コイツは信用できそう」と思われたようで、「他に相談する人がいないので、とりあえずSabosanに相談してみました」との事。
私は少し迷ったが、「まあ、これぐらいサービスしておくか」と昼休みに契約書をチェックして、リスク等の問題点を指摘した上、変更案とアドバイスをメールする。後日「助かりました!また、何かありましたらよろしく」という丁寧な(?)返信をもらう。
②Bさん
Bさんは趣味で陶芸をやっており、自宅に工房を構えているという。そして、「今度、自分の作品を近所の雑貨店に販売することになったけど、契約書を作りたい」という相談を受けて、Bさんと雑貨店との売買基本契約書を作成することことに。Bさんから「弁護士に相談するほどじゃないし。Sabosanだったらこれぐらいすぐできるでしょ?」という妙な論理で押し切られてしまった。
2.これもGIVEの一環ということで
このように、社内クライアントの個人的な法務案件を受任することがあるが、私としては、余程のことがない限り、広い寛大な精神(?)を持って接するようにしている。もちろん、これで報酬をもらうと弁護士法違反になるので、それは絶対にNGだ。まあ、これはこれでプロフェッショナルとしての経験値になるし、恩を売って損にはならないからだ。
それはそうと、このような状況は、社内における自分の信用度の高さや影響力が拡大している事実の裏返しと解釈してよいのか、それとも単純に「アイツは利用価値がある」と軽く認識されているだけのか、なかなか判断に迷うところではある。
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