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【書評】「アルスラーン戦記16 天涯無限」田中芳樹(光文社)/人気ヒロイックファンタジーの完結編だが、すっきりしない結末にもやもやが残る

先日、図書館で「アルスラーン戦記」の12巻から16巻までを借りて、一気読みした。 

暗黒神殿: アルスラーン戦記12 (光文社文庫)

暗黒神殿: アルスラーン戦記12 (光文社文庫)

 
蛇王再臨: アルスラーン戦記13 (光文社文庫)

蛇王再臨: アルスラーン戦記13 (光文社文庫)

 
天鳴地動(てんめいちどう) アルスラーン戦記14 (カッパノベルス)

天鳴地動(てんめいちどう) アルスラーン戦記14 (カッパノベルス)

 
戦旗不倒  アルスラーン戦記15 (カッパノベルス)

戦旗不倒 アルスラーン戦記15 (カッパノベルス)

 
天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

 

 

「アルスラーン戦記」は、「銀河英雄伝説」で有名な田中芳樹が書き下ろしたヒロイックファンタジー作品で、1986年にシリーズ第1巻「王都炎上」が発売され、たちまちベストセラーとなる。第10巻「妖雲群行」まではコンスタントに発売されて、私も発売のたびに買い揃えていたが、その後リリースが途絶えてしまった。しばらくしてから光文社に版権が移って続巻が発売され、2017年に完結編となる第16巻「天涯無限」が発売。

しかし、10巻以降の刊行ペースがあまりに遅いので、その存在をすっかり忘れていた・・・。2015年に放送された地上波アニメで、ようやく思い出したぐらいだ。

kigyouhoumu.hatenadiary.com

本シリーズは、二部構成(第1部:第1~7巻、第2部:第8~16巻)となっており、第1部では主人公であるアルスラーンが侵略者から国土を取り戻すまでを、第2部ではパルスの国王となったアルスラーンが他国との戦争や魔の勢力との争いを繰り広げる様を描いている。第1部は、ストーリー構成やキャラクターの造形やセリフ回しなどの完成度が抜群に素晴らしい作品だった。しかし、第2部(特に光文社のシリーズ)になると、なんとなくダラダラとした展開となり、面白味が半減してしまう(あくまで個人的な感想だが・・・)。

今回、図書館で残りの未読分を借りて最終巻まで一気に読んでみた。前もってアマゾンのレビューを読んで覚悟はしていたが、物語終盤の展開や結末には正直なところ納得がいかない。作者は銀英伝の頃から「皆殺しの田中」の異名をとり、登場人物をあっさりと死なせることで有名だったが、15巻の終盤で主人公を支えてきた最重要人物が意外な形で戦死し、16巻では主人公を含む大半のキャラクターが戦死してしまう。エピローグでは、一応希望らしきものがあるが、このような結末は読者の誰も望んでいないだろう。

同一筆者による架空世界を舞台にしたファンタジー作品として「マヴァール年代記」が挙げられるが、こちらは3巻と短い作品ながら、魔道等は登場せず、三国志のように純粋に国家の興亡が描かれており、非常に面白かった。せめて、「アルスラーン戦記」も「マヴァール年代記」のように、短期(第1部ぐらい)で完結していれば、名作と評されただろうけど・・・・。 

マヴァール年代記(合本版) (らいとすたっふ文庫)

マヴァール年代記(合本版) (らいとすたっふ文庫)

 

このように、物語は一応の完結を迎えたが、読後の満足感にはほど遠い・・・。私が学生時代の頃、筆者の大ファンであっただけに非常に残念な結果となってしまった。