以前に田中芳樹原作の「銀河英雄伝説」の再アニメ化についてふれたかと思う。
私は、原作小説を全巻読破しているし、30年前の最初のアニメ版もレンタルで全て観ているので、ストーリーは完全に把握している。それでも、リメイク版の中身は気になるので、4月7日深夜に放送された初回を観賞してみた。その感想について少し触れてみたい。
- さすがに前回のアニメから30年が経過しているため、CG技術の進化が著しく、戦艦などの描写は前作をはるかに凌駕している。艦隊同士の戦闘シーンなどは圧巻の一言。
- オリジナル版に比べてストーリの展開が早い。例えば、ヤンの友人であるラップ少佐は、オリジナル版のように婚約者との関係性を想起させるシーンはなく、あっさりと戦死してしまう。原作を忠実に再現することを意識しているのだろうか。その一方で、ラインハルトとファーレンハイトとの会話が新しく付け加えられているなど原作にないシーンもあった。
- 原作によると、アスターテ会戦では、同盟軍は帝国軍を三方向から包囲する作成であったが、普通に三つの艦隊が正面から帝国軍に向かっているように見えた。従って、ラインハルトの各個撃破の戦術に納得感が欠けるような気がしたが・・・。
- 第1話は、ヤン・ウェンリーは直接姿をあらわさず、傍受された無線の声という形でしか視聴者は確認できない(第1話の終盤に後姿のみ登場する)。このじれったさによる演出は「うまいなあ」と思う。
- 帝国軍や同盟軍の登場人物のうち、前作のイメージを残しつつ、微妙に変わっているキャラもおり、なかなか面白い(キャゼルヌ・ロイエンタール・オーベルシュタインなど)。ちなみに、エンドロールで帝国軍サイドにポニーテールの人物が二名いるが、一人はメックリンガーとして、もう一人が誰なのかわからない・・・。
本作は、原作を忠実に再現したオリジナルアニメ版とまた違った良さがあるように思えた。テレビ放送は全12回らしいので、この展開では第1巻の最後あたり(アムリッツア会戦)まで描くつもりなのだろうか。いずれにせよ、原作小説とオリジナルアニメを知っている身としては、「あの場面をどのように描くのだろうか」と楽しみにしている。
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