先日、図書館で借りた読んだのが以下の本。
本書では、保険会社が販売する保険商品の裏側を描いている。簡単にポイントをまとめると、以下の通り。
- 全てを民間保険でカバーする必要はなく、国が用意している健康保険を使いこなすとかなりの保障を受けることができる。いざというときは高額療養費制度も頼りになる。
- 保険会社は、保険料に占める自社の手数料の内訳を明らかにしておらず、相当程度がCM費用や人件費に消えているはず。そもそも保険会社の従業員は、自社が顧客にPRしている保険商品には加入したがらないことが多い。
- 貯蓄型の保険商品もあるが、確定拠出年金の方が優れている。
- 保険は金融商品という一面があり、利用者は盲目的にあれもこれも加入するのは禁物。
確かに、人生のリスク管理として、保険が頼りになるのは確か。実際のところ、数年前に妻が自動車事故に遭遇した際は保険のありがたみを痛感した。あの当時、私が保険会社に支払っていた自動車保険の保険料は累計70万ほどだったが、保険会社から支払われた総額は400万ほどで収支的には黒字。これがもし、保険に未加入だったらと思うと今でもゾっとする。
つまるところ、究極的には保険会社と利用者とは利益相反関係にあり、前者の利益は後者に不利益となる一面がある。そもそも、保険会社が利用者に保険金を払いすぎて倒産したというのは聞いたことがないし、保険会社の社員は比較的給与水準が高く、きれいな自社ビルで働いている。その原資は利用者から集めたお金だ。
著者が主張する「保険とは、利用者が購入する投資商品の一種である」という前提にたつならば、ぼんやりした将来の不安解消ではなく、目的とコストを理解した上で、利用するべきか。実際、私も保険の見直しを行って、ある保険を解約することにした。