企業法務担当者のビジネスキャリア術

転職経験が豊富な企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【契約書】これが契約書管理の最新トレンド!/検索性に優れたSharepointを活用して契約書を管理する

今回は契約書ネタ。
 
締結した契約書をどのように保管・管理するかは会社によって様々だろう。いつかは忘れたが、BUSINESS LAW JOURNALの特集で複数の会社の契約書管理の紹介記事を読んだ記憶がある。その時は「会社によって色々だなあ」と興味深かったが・・。ちなみに、前職ではアナログ的には契約書原本を企業コード順に並べてファイリングしつつ、私が制作したAccessでデータベース化し、クエリなどで期限管理の対象契約書の抽出を行っていた。

そして、転職した自社では法務部門マネジャーとして、契約書の管理方法を検討中。とりあえず、まだアイデアの段階だが、前職のようなAccessではなく、以下のアナログ&デジタルのハイブリッド方式を考えている。
 
①アナログ管理
企業コード順にA4ファイリング化する。途中で新たな契約書を保管する場合は、続けてファイリングする。従って、途中で契約書の追加を前提としてファイルには余裕を設けておく。
 
②デジタル管理
Microsoft365のサービスの一つであるSharepointを使ってデータベース化する。各レコードには会社名・企業コード・契約日・開始日・終了日などを入力し、末尾には契約書PDFファイルを添付する。例えば特定の契約書を探す場合にはSharepointに備わったビュー変更や検索の機能を使えばよい。
 
<私の自宅PC で制作したSharepointのイメージ>
※タイトルをクリックすると右側からプロパティが伸びて展開する

 
このブログでは、Sharepointについて何度か触れているが、まだまだ世間では知名度は低いようで、「何それ?」的なイメージを持っている人は結構多い。
確かにSharepointは、WordやPowerPointに比べて敷居は少し高い。しかし、複数のテンプレートのパーツを自由選択し、カスタムを加えて自分好みなコンテンツを作れるのはブログに通じるものがあり、サイトを構築するだけでも楽しい。

 
また、クラウドベースなので、自分のデスクにあるPCだけではなく、会社から支給されたiPhoneで土日や外出先でも確認できる(まあ、外出先で締結済の契約書を見る機会はそうそうないだろうが・・・・)。

 
あと、Sharepointの地味に優れた機能として、アクセス権者を自由に取捨選択できること。これがセキュリティ面でも便利。例えば、法務部門に割り当てられたサーバーにデータベースを配置した場合、ファイアウォールの関係で法務部門のみしかAccessやPDFを確認できない。
 
しかし、Sharepointでは自社の従業員のうち、①管理者権限・②編集権限・③閲覧権限の3つを分類して権限を自由に付与できる。すると、法務部門のメンバーは①②は当然として、自社の契約書の締結状況を知りたい社内部門(例えば、購買部門の担当者等)に一時的に③を付与して、当人だけに見てもらうという使い方が可能(つまり良いか悪いか別にしてファイアウォールを考慮不要)。③には編集権限はなく、閲覧するだけなので、データの改ざんリスクは発生しない。
 
このようにSharepointには、
  1. コンテンツを自由にカスタムできる
  2. 選択したメンバーに対して段階別のアクセス権限を付与できる
という優れた機能がある。従って、Sharepointは使い方次第で情報共有ツールとしてかなり使える。もし、自社がMicrosoft365を利用しているならば、(毎月会社が払っているランニングコストを無駄にしないためにも)使い倒すことをお勧めしたい。