企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【転職】転職者が入社後に成功するためのコツとは/「転職後、最初の1年にやるべきこと」を再読してあらためて感じたこと

1.偶然の「再会」

新型コロナ・ウイルスによる影響で図書館の閉館が続いている。そのため、Kindle Unlimitedのサービスを今も継続中だ。 

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そうした状況の中、先日読んだ一冊がこちらの電子書籍。

転職後、最初の1年にやるべきこと

転職後、最初の1年にやるべきこと

 

いわゆる転職本だが、よくあるような転職活動のノウハウ本と違って、転職者が入社後にやるべきことや心構えについて触れているのが特徴的。この本は「改訂版」を銘打っているように、実は、今から●●年前の転職直後に初版を読んだことがある。このタイミングでこの本と「再会」したのも何かの縁だし、その内容を引用しながら自分の体験と照らしてみたい。 

2.入社後の心得 

一つの会社に長く勤めていると、周りの人たちと「信用取引」ができるようになる。転職するとそうした関係性が全てリセットされてしまう。

これは全くそのとおりで、私自身も実感している。転職者はいわば外様で、最初は孤独なもの。周囲にしてみれば、「どこの馬の骨かわからない人間」であり、「まずはお手並み拝見しよう」という感じで信用されることはない。このような場合において、周囲の信用を得るための方法としては、「地道にコツコツと結果と実績を積み重ねること」。それ以外にない。

私も入社直後にはいろいろ苦労したが、社内クライアントに対して、スピードとクオリティを意識して成果物を提供し続けることにより、社内の数々の問題を解決していった。そうしているうちに、少しずつ人脈が広がり、自分を支持してくれるファンが増えていく。ひとたび、そのような状況に到達すると、周囲の自分を見る目がガラリと変わり、仕事の幅が広がって、入社直後の苦労が嘘のように物事がスムーズに進むようになる。それは、これまでの苦労がようやく報われたと感じる瞬間でもある。 

人間関係こそ大事。社内人脈の形成に集中せよ。

新参者である転職者は、社内コネもツテも実績もない。内定直後は「選ばれた人」であっても入社してしまえば、「その他大勢の一人」となってしまう。従って、私は企業法務担当者として、社内クライントの席まで積極的に足を運んで、社内に「顔と名前」を売ることにひたすら努めた。そうすると、「Sabosanというフットワークが軽い人がいる」という風評が流れて、メールや電話が来るようになる。飲みに誘われることも多くなり、人脈は徐々に広がっていく。やはり仕事というものは、規模が大きくなり、難易度が上昇するほど多くの人間が関与する。従って、それらの人と円滑にコミュニケーションがとるためには、一定の信頼関係(人脈)が必要だ。

転職先で違和感を持ったことは、口に出さずにメモにとっておく。 そして、違和感メモをもとにイノベーションを実現せよ。

転職者は新卒の生え抜きと違って、違う環境から新しい環境に飛び込んだのだから、入社するとその環境に違和感を抱くこともたびたびだ。この異なる複数思考というのは、均質思考に比べて、しばしば組織のイノベーションの起因となることが多い。しかし、新参者がそれを口に出してもせいぜい周囲の反発を受けるのがオチ。そこで、まずはメモやノートに記録しておき、しばらく寝かせておく。そうして、「実力の充実とタイミングの到来」を待って、じっくりと違和感の解消に取り組めばよいし、実際に私もそうしている。

さすがに詳細はここでは書けないが、私はそれまで存在しなかった新しい「仕組み」を創造し、イントラネットに公開して、社員全員がそれを使用できる環境を整備したことがあった。そうなるまでプロパーの人間が疑問にも思わなかった(もしくは思っても行動しようとも思わなかった)ある盲点だが、自分なりの行動力に基づき問題解決策を会社に提示したわけ。これについては、複数人から「Sabosanは良い仕事をしたと思うよ」と何度か言われたことがあったし、この実績をきっかけに周囲の目が大きく変わったのを実感した。なお、この「仕組み」は自社にとって結構重要なもので、おそらく私が退職しても廃止されることはないだろう。これも過去に記した違和感メモのおかげだ。 

大きな成果をまだ狙わない。まずは小さいな実績を積み上げて信頼関係を築く。当たり前のことをコツコツをこなし、ホームランを目指さない。

これも全くその通り。周囲と協調して地道な努力を継続し、実績を蓄積していると、より大きな仕事に取り組むチャンスが必ず到来する。そこでも、コンスタントに実績をあげるとさらに大きな仕事が到来する・・・・というようにキャリア上の「正のスパイラル」の状況に突入する(いわゆるブレイクスルー)。いわば、バントでも良いからとにかくなりふり構わずに、打席に立って必死に出塁することを目指していると、いつの間にかヒット・2塁打・3塁打をコンスタントに打ち分けることができる自分に気づくのだ。 

入社して落ち着いてから安心するのではなく、再びアクセルをふみ始めろ。

まずまずの成功をおさめたからといって油断と慢心は禁物。引き続き、問題意識を持ち続けて、社内外の環境変化への対応を意識しつつ、自分自身のバージョンアップ(自己研鑽)を継続することが大事。

3.そして、現在

あれからかなりの歳月が経過したが、もはや社内に私を転職者扱いする人間はいない。大小問わず、仕事をこなして、「仕組み」などを作るにつれて、次第に実力が認められてきたと実感している。もちろん、私自身も転職直後はこのような状況は予想もできなかった。

今でも様々な社内クライントから相談を受ける日々を送っており、名指しで相談を受けることも多い。ただし、全く企業法務と関係ない相談もあり、たびたび困惑することもあるが・・・。 

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さらに、注意している心がけとしては、自分にとって最初の依頼者に対しては、最優先ですぐにレスポンスを返すようにしている。その理由は「アイツは仕事が早い」というイメージを持ってもらうため。このように、企業法務担当者は自分の社内評判をコントロールすることにも意識したいところ。 

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また、気心の知れた人も増えて、一緒に飲みに行ったり、山登りに行ったりすることもある。さらに、こちらから気軽にお願いをしたり、逆にお願いをされることもある。改めて思うが、ビジネスパーソンの転職とは、「現在の会社(コミュニティ)から離脱して、新しい会社(コミュニティ)に所属する行為」であり、これらの「心地よさ」を失うことに他ならない。

やはりメンバーシップ型採用が大半を占める日本企業における転職という行動には、大きなハードルとリスクがあると思う。いわば転職とは「伝家の宝刀」であり、自分の人生において使わずに済むならば、使わないにこした事はないのだ。 

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4.まとめ

このように、本書の再読をきっかけに、転職直後から現在に至るまでの自分を振り返ってみたが、これまでいろいろあったけど、「努力と運と習慣」でなんとかここまで到達できたのだなあ、と日々感謝している。

私の趣味である山登りにたとえるならば、いくつかの登りたい山を比較検討して、とある山(会社)に到着する。そして、登山口から登山を開始し、最初はひたすら地面を見ながら歩く。徐々に登り道は険しくなり、時には雨風にさらされて、挫折しそうにもなる。しかし、地道にコツコツと自分を信じて少しずつ登っていると、いつの間にか山頂に到着して、周囲には絶景が広がっていた・・・という感じ。

文章で表現するのは難しいけれど、同じ転職者の人ならば、このあたりは共感してもらえると思う。