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【書評】「未来の年表 ~人口減少日本でこれから起きること~」河合雅司(講談社)/少子高齢化と人口減少が進む日本が待ち受ける未来とは?

年末年始休みを利用して積ん読状態だった本を何冊か消化したが、そのうちの一冊がこちら。 

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書) 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
河合 雅司

講談社 2017-06-14
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本書では、これからの日本が抱える少子高齢化と人口減少について、近い将来に発生する可能性がある問題(第1部)およびその対応策(第2部)が記されている。なお、本書の帯には以下のようなショッキングな見出しが並んでいる。

 

2020年 女性の半数が50歳超え

2024年 全国民の3人に1人が65歳以上

2027年 輸血用血液が不足

2033年 3戸に1戸が空き家に

2039年 火葬場が不足

2040年 自治体の半数が消滅

2042年 高齢者人口がピークを迎える

 

ちなみに、私の個人的な体験としては、

 

・コンビニやファストフード店での外国人労働者を目にすることが多い。

・地元で高齢者向けケアホームが増加している。

・地元の幼稚園や小学校のクラスの人数が縮小しつつある。

・社会保険料率が年々上昇している。(以前から給与明細をエクセルに転記しているので、一目瞭然)

 

などが挙げられ、少子高齢化と人口減少を肌身で感じている。2015年の国勢調査の結果、日本の人口は1億2700万人と報告されており、人口減少の事実(5年前に比べて96万人減少)が確認されているが、今後、この動きが加速するのは確実。本書では、このまま人口減少が進行した場合、経済規模の縮小と衰退・労働力の不足・インフラの未整備・治安の悪化・認知症患者の増加などのネガティブなシナリオが予測されている。一応、その対応策も提言されているが、これらの問題を完全に回避することはできないだろう。

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それでは、個人レベルで何をどうすれば良いかだが、実は皆目検討がつかない。せいぜいできることと言えば、健康管理に注意を払い、家族と良好な関係を築きつつ、将来に備えて貯蓄や投資に励み、年を重ねても働き続けることができるようスキル向上に努めることだろうか。現在、年金の支給開始年齢は65歳だが、将来的にはこれが70歳~75歳となるのはまず確実。すると、当然ながらその年齢になっても働かなければならないだろうし、だからと言って、「ぶら下がり社員」では淘汰される羽目になりかねない。従って、長期的な視点に立って、ビジネスパーソンとしての能力を鍛え続けなければならない。もちろん、言うだけは簡単で、実行するのは非常に難しいが・・・。

もちろん、本書に書かれている一字一句が将来現実になるとは断定はできないが、少なくとも「そうなるかもしれない」と悪い方向に考えて、個人レベルで「細く長く人生を送るための心構え」を持つのは決して無駄にはならないと思う。