昨年の夏に映画「関ヶ原」が公開されて、ヒットしたことは記憶に新しいところ。ご存知、1600年に東軍の徳川家康と西軍の石田三成が覇権をかけて激突した天下分け目の合戦である。
公開当初は、私も観に行こうか少し迷ったが、「結末」は知っているし、少し待てばレンタルされるので、結局は行かなかった。
この映画の原作は、司馬遼太郎の同名小説「関ヶ原」だが、現在、大阪府東大阪市にある司馬遼太郎記念館では、「関ヶ原」の企画展を開催中だ。もともと私は同氏の「箱根の坂」「国盗り物語」「義経」などの作品を読んだこともあり、機会があれば、記念館を訪れてみたいと思っていた。聞けば、この企画展が今月で終了するらしく、友人を誘って行ってみることに。最寄りの駅は、近鉄電車の八戸ノ里で、この付近には法務局や司法書士受験の会場であった大阪商業大学もあり、個人的にも懐かしい場所。
駅近くのファミレスで友人A氏と待ち合わせしてから、南西に向かって15分ほど歩くと記念館に到着する。付近は住宅街で、その一角に司馬遼太郎の住宅がそのまま保存されており、それと隣接する形で記念館がそびえ立っている。
館内は撮影禁止となっているため、写真ではお伝えできないが、館内はロビーと展示室とホールで構成されており、展示室には「関ヶ原」の原稿や劇中で使用された小道具(刀など)などが展示されていた。予想より企画展の規模は小さく、10分ほどで見終わってしまた。岐阜県にある関が原町歴史民族資料館の方がよほど規模が大きくて充実しているが、これはもうしょうがない。
その他、ホールでは司馬遼太郎の経歴などを紹介した動画を観賞することができたり、ロビーでは同氏の作品が販売されている。この記念館を訪れる前は、昨年夏に訪れた福岡県北九州市にある松本清張記念館ほどの規模を予想していたが、意外とこじんまりしており、肩透かしをくらった感じ。まあ、「この場所から司馬作品が誕生したのか」と思いを巡らせるだけで十分としよう。(個人的には良い刺激を受けたので、翌日に地元の図書館で、黒田官兵衛を主人公とした「播磨灘物語」を借りてきた)
その後、近鉄の布施駅まで戻り、久しぶりに再会した友人と居酒屋で当日の感想を話しながら、近況報告をする。その後、家路に着いたのであった。