先日読んだビジネス雑誌に社会人の勉強方法の特集が組まれており、
アステラス製薬の
代表取締役 野木森氏の発言が印象に残ったので、ここで引用する。
・ビジネスマンにとって最も大事なのはプロフェッショナリズムをもって仕事に臨むこと。勉強というのは、そのための土俵づくりにほかならない。従って、何をどのように学んだらいいかは、それぞれが自分で考え、気づいていくべきである。
・知らないことを専門家に聞くのはもちろんだが、その前にベースとなるものを自分で調べるとよい。そのためには、知りたい分野の本を何冊か読んでおくのがよい。本は著者が勉強してきたエッセンスがコンパクトに盛り込まれているので、ひとつの分野を体系だてて学ぶには非常に効率のいいツールである。
・これからグローバル化が進むと、当たり前と思っていた以心伝心や阿吽の呼吸が通じない人たちと一緒に仕事をする機会も増える。従って異質を受け入れるということがグローバル人材の条件である。
・自分の仕事やキャリアに直接関係のある勉強をすることは大事だが、それ以外のことは無駄だと切り捨ててしまうのは賢明ではない。現代のように環境の変化が激しい時代には、組織も人も変わることを躊躇しない柔軟性が要求される。そして、環境が変化すれば、仕事で必要とされる知識やスキルも当然変わってくる。つまり無駄を避けるために今仕事に使えることばかり勉強することはリスクのある行為となる。
・それより好奇心に任せて様々なことを勉強して知識の裾野を広げておくことが将来役に立つ可能性が高い。そういう意味では、広く教養を身につけるため、社会科学・地理・歴史などを勉強することはきわめて正しいといえる。
特に、下線部分が私にとって大変印象に残った次第である(早速、手帳にメモした)。先日
勝間和代氏の発言を引用して「ビジネスマンにとって専門性が大事である」と書いたばかりだが、その身に着けた専門性も環境の変化とともに価値が低下するリスクがあるということだ。私の専門スキルは言うまでもなく企業法務だが、専門性を深く掘り下げていけばよく、他の分野には全く手を出さないというのも野木森氏の主張するとおり、幾分狭量すぎるきらいがあるような気持ちがする。
いわゆる専門バカになってしまってよいのだろうか、という問題である。特に会社員の場合、好むと好まざるとを問わず、「人事異動」というものがある。私自身一生、法務だけやっていけるかどうかは定かではないからだ。
ちなみに、聞くところによると、
外資系には基本的に人事異動はなく、そのセクションに関する仕事のみをやっていればいいらしい。しかし、日本企業はそのようなことはなく、人事異動はよくあることだ。私の前職(国内系証券会社)でも頻繁に人事異動をしていたことは印象に残っている。
現時点において結論を出すとするならば、私自身のキャリアに対する展望は以下のとおりである。
国内・国際企業法務を可能な限り深く極めるとともに、柔軟性を忘れることなく、それに隣接する与信、会計、総務、ビジネスに関する知識、経験、ノウハウも好奇心をもって貪欲に習得してゆき、自己価値の最大化に挑戦し続ける。
皆さんはどうだろうか?本ブログが皆さんが自らのキャリアについて考えるきっかけになれば幸いである。