企業法務担当者のビジネスキャリア術

氷河期世代の企業法務担当者がライフログとして日々の出来事を記録しています。2009年に開始したブログは16年目を迎えました。

【与信管理】与信管理業務/取引先の経営分析業務とは?

私は、社内では法務担当という位置づけで通っているが、所属部門はリスクマネジメント(与信管理)部門であるため、企業法務のみの仕事をしているわけではない。例えば、上司の方針により今年の春から与信管理業務の一環として取引先の経営分析業務を開始している。 1.経営分析業務とは? 経営分析とは、文字どおり、取引先の信用調査情報、財務情報などから取引先の経営状態を客観的に分析することをいう。というのも、自社は商社である立場上、商品を取引先に販売するのだが、全く無制限に販売するのではなく、与信リスクマネジメントとして取引先をランク付した上、販売限度枠を設けた上で厳密に取引を行っている。そうしなければ、いざというとき、取引先が倒産すると、自社に焦げ付き(いわゆる不良債権)が発生することになり、多額の損失が生ずることになるからだ。なお、経営分析は取引開始時点だけ行うのではなく、その後も一定時期ごとに行うことによって販売限度枠を増減する。そして、場合によっては、担保等を徴求することによって、自社の債権回収措置を講じなければならない。与信管理とは、まさしく与信リスクをヘッジしていく業務なのである。 2.私にとって新しいキャリア 私にとっても法務ばかりの経験を積むのではなく、このような新しい分野の経験を積み重ねることにより、横にキャリアを広げることができるのはありがたいことである。取引先の経営分析業務を行うためには、決算書を読解した上でその会社の収益性・安全性・将来性という観点から自社の取引額などを設定しなければならない。そのためには会計・簿記知識は必須のため、入社後コツコツと勉強して日商簿記3級ビジネス会計検定3級までは取得した。ハッキリ言って典型的な文系の私には数字と格闘することはかなり苦手だったのだが、慣れればなんとかなるものである。まだまだ、なんとなくであるが、決算書を読むときのポイントなどがおぼろげにわかりつつある。決算書の審査は、契約審査とはまた違った面白みがあるように思える。 3.法務と審査  ~企業法務と与信管理のキャリア両立~ 私のように、法務と審査のキャリアを形成していくタイプというのは、なかなか珍しい方だと思う。メーカーでは絶対にありえないだろう。これは、商社でしかありえないキャリア像ではないだろうか。しかし、私にとっても自分のキャリアを広げていく良い機会なので、積極的にノウハウを学んでいくことにより、法務担当者としてだけではなく審査担当者としても成長していきたいと考えている。 blogram投票ボタン 1クリックお願いします!