1.映画版ストⅡ
先日何気なく地元のTUTAYAに立ち寄ると、新作コーナーに「ストリートファイター 暗殺拳」のDVDが展示されていた。
これは人気格闘ゲーム「ストリートファイターⅡ」を原作にした映画だが、そのストーリーは、以下のとおり。(Amazonの商品紹介から抜粋)
古来の秘拳、暗殺拳の達人である剛拳(小家山晃)の人里離れた道場で日々格闘術の修行に励むリュウ(マイク・モー)とケン(クリスチャン・ハワード)。しかし、2人はいつまでも「波動」の力を学ぶことが出来ずいらだっていた。師匠である剛拳は2人にこの力の扱い方を教えるか迷っていたが、とうとう伝授することを決意し、かつての自分の師、轟鉄(伊川東吾)の道場に2人を導く。 轟鉄の道場で2人を鍛える剛拳。その中で彼は弟、豪鬼(ガク・スペース)とともに修行に励んだ遠い昔の日々に思いを馳せるのだった。轟鉄に師事していた若き日の剛拳(尚玄)と豪鬼。轟鉄の姪、サヤカとともに4人で家族のように暮らしていた。しかし、豪鬼は強さを求めるあまり、“殺意の波動”に目覚めてしまう。轟鉄から破門され道場を出ていく豪鬼。そして、殺意の波動を極め悪魔となった彼は再び轟鉄の前に姿を現すのだった。
ストⅡの実写映画版といえば、ジャン・クロード・ヴァンダムがガイル役で主人公を演じた1994年の映画版が有名だが、本作ではリュウとケンはほとんどチンピラ扱いで、ひどい映画だった。もうどのようなストーリーか忘れてしまったが、ファンの間では「黒歴史」と称されるほどの駄作だったと記憶している。
このような前例があるため、一抹の不安を感じながらも、本作をレンタルしてみた・・・。しかし、さほど期待せずに鑑賞したせいか、その完成度には驚かされた。もちろん、低予算なのだろうけど、ゲームの世界観を忠実に盛り込みつつ、リュウ、ケン、剛拳、豪鬼、轟鉄の人間関係も濃密に描いており、ヴァンダム版とはえらい違いだ。特に以下の点が特徴的。
・要所要所で昇竜拳、波動拳、竜巻旋風脚、瞬獄殺などの必殺技が登場する。 ・劇中でリュウとケンが戦うシーンでゲーム版のリュウのステージBGMが流れる。
・リュウが赤いバンダナを身に着けるいきさつが描かれている。 ・ケンの昇龍拳でこぶしが炎に包まれる描写がある
・ゲームでは明らかではない豪鬼誕生のエピソードが丁寧に描かれている。
本作では、ヴァンダム版のようなアクションだけをクローズアップした浅い内容ではなく、登場人物の師弟愛や「殺意の波動」にまつわるエピソードをきちんと描きつつ、ゲームの技を忠実に再現している点に好感が持てた。というわけで、ストⅡ経験者ならば本作を見る価値はあるので、おすすめだ。
2.ストⅡとの出会い
私がこのゲームと出会ったきっかけは、学生時代に友人の家でスーパーファミコン版「ストリートファイターⅡターボ」で遊んだこと。格闘ゲームについて何の知識もなかった私は「なんだこのゲームは?」と不思議に思ったが、見よう見まねでコントローラーで操作すると、キャラクターが動き回り、パンチやキックを繰り出し、必殺技が炸裂する。しかも、技名や勝利のメッセージをキャラクターがしゃべる。当時そのようなゲームに遭遇したことはなく、私は「こんなゲームもあるのか!?」と驚かされたものだ。
友人宅から帰宅した私は、早速このゲームを購入し、格闘ゲームにのめりこむようになる・・・(ちなみに、私の持ちキャラはケン)。これをきっかけに「飢狼伝説」「龍虎の拳」「サムライスピリッツ」「キング・オブ・ファイターズ」「ヴァンパイア」「豪血寺一族」など様々な格闘ゲームをプレイするようになった。 それから約20年が経過して、私も就職・結婚を経てゲームをプレイする時間はほとんどないが、本作を鑑賞したことがきっかけで、現在は通勤帰りにiPhoneアプリ版のゲーム「ストⅡコレクション」をプレイしている。
3.おまけ
10年ほど前になるが、以前に転職活動をした際に、ストⅡを開発したカプコンの法務担当者の求人を発見したことがある。興味半分に応募しようとしたところ、カプコンの本社は大阪ながら、法務担当者の勤務場所は東京と人材紹介会社からの説明を聞いて、あきらめたことがあるが・・・。もし、入社していたら、ゲーム好きにとっては、充実した法務ライフ(?)を送っていたのかもしれない。