企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証一部上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【資格】司法書士業界への規制強化/これも法令遵守重視という世の流れか?

1.司法書士業界の現状 先日、自社の根抵当権の抹消登記を依頼するため、顧問司法書士に来社して頂いたのだが、様々な雑談に花が咲いた。以前にも触れたが、私は司法書士事務所に勤務していた経験があるため、この業界の事には今でも関心を抱いているからだ。 それによると、以前に比べて、かなり規制強化されているらしい。例えば、以下のとおりである。
◆登記に先立って依頼者と面談を行い、その意向をきちんと確認した旨の証拠書面を事務所に保管しなければならない。(以前は、会ったことがない人からの登記はざらにあった) ◆戸籍謄本類の入手が非常に困難になった。これは、数年前の戸籍法改正によるもので、本人による入手時にすら身分証明書の提出を要請されるぐらいである。(以前は、職務上請求用紙でバンバン取っていたものである) ◆権利書を紛失した場合にその代替手段である「保証書」には保証人2名(たいていは司法書士本人とその配偶者がなっていた)で発行できていたが、その名義人との面談を行い、本人であることを間違いなく確認した旨の文書を提出しなければならない。
このような話を聞くと、私が働いていた頃とは雲泥の差であることにおおいに驚かされる。特に職務上請求用紙などは銀行などから身上調査の一環として頻繁に依頼がきたもので、私もよくあちらこちらの役所に走り回ったことがあり、懐かしい。あちらこちらの土地に行けてそれなりに楽しかったものである。もっとも、業界ではこの仕事は乙号事件として利益が少ないため、敬遠されていたのだが。 このような規制は、個人情報保護法等のコンプライアンス強化の流れを受けたもので、司法書士は商売がやりにくくなったのは間違いない。なぜなら、司法書士というビジネスモデルは個人の所有権・担保権に関する権利関係を整備するという関係上、いやでもクライアントの個人情報に触れざるを得ないからだ。上記規制は、彼らにとって時間的・費用的なコスト増大にもつながり、敬遠されていることは間違いない。 2.これからの司法書士業界について 今、この業界も激動に大いに揺れていると言っても差し支えない。現在は、過払金返還請求の恩恵を受けているが、あと数年もすればこれは収束するだろう。一方で弁護士増大の影響もあり、一部の弁護士がこの業界に乱入してくるかもしれない。実は、登記といってもそれほど複雑なものでもなく、市販本を参考にすれば自分でなんとかやれないこともない。現在は法務局の窓口サービスもかなり改善されていて、相談にも親身にのってもらえる(私自身、事務所退職後に実家の住宅ローン返済後の担保抹消を自分で行なったぐらいだ。司法書士に頼めば、費用的には2,3万円ぐらいはするところ、印紙税2,000円のみで済んだので、お得だった)。あと、登記のオンラン申請化である。今までは現地の法務局に実際に行って登記申請を行なわなければならなかった。しかし、現在では郵送による登記申請でも可能だし、形式さえ整っていたら、オンラインでも登記申請できるのだ。こうなっては、今まで「補助者」と呼ばれていた事務スタッフ(法務局や市役所への要員)は不要となるだろう。 また、この業界は過去に行政書士業界との間で「司法書士の主要業務である商業登記業務を行政書士に開放するか否か」ですったもんだの紛争があったらしい。結局は、それは不可ということで折り合いはついたようであるが、その実情は仕事の取り合い以外の何者でもない。 このように、今後の司法書士業界はかなり流動的なのだが、過去にこの業界に身を置いたことがある一当事者としてその趨勢を見守っていきたい。 「人気ブログランキング」参加中です!1クリックお願いします! にほんブログ村 サラリーマン日記ブログ 戦うサラリーマンへ
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