企業法務担当者のビジネスキャリア術

東証プライム上場企業に勤務する企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【契約書】リーガルテックの進化を実感/AIが契約書を審査する時代がいよいよ到来!?

今回は、久しぶりの契約書ネタ。
 

1.リーガルテックの進化に驚かされる

以前に英文契約書の審査時にAI翻訳サービスのDeepLについて触れたことがあった。利用してみると、Google翻訳をすら上回るクオリティの高さには驚かされたもの。私と仲の良い海外営業部門担当者にDeepLを宣伝したところ、「いいもの教えてもらった!」と部内でも積極的に活用しているとか。
 
今回は、DeepLと同じぐらいの衝撃を受けたサービスを紹介したい。私の友人A氏は某ベンチャー企業で総務担当兼法務担当として勤務しているが、最近になって自社で某AI契約審査サービスを導入したらしい。
 
A氏が言うには、「このサービスはなかなか使える」らしい。AIがその契約書の問題箇所を指摘し、修正案も提示してくれるという。今のところは、あらゆる契約書に対応しているわけではないようだが、その対象は順次拡大しつつあるとか。企業法務担当者を自社で育成するのは時間とコストを要するため、このようなAIサービスは、経営者からすれば、非常に有益に思えるかもしれない。
 
ただし、企業法務担当者である私にしてみれは、若干の危機感を覚えないでもない。というのも、契約書の作成・審査業務は、企業法務担当者にとってメイン業務であり、このようなサービスが進化すれば、企業法務担当者の地位を脅かすことになりかねないからだ。このようなAIサービスがさらに拡大・充実すれば、法務部門は縮小の方向に向かうかもしれない。
かなり以前より「AIとロボットが人間の仕事を奪う」と言われていたが、いよいよAIが本格的に企業法務の分野を侵食してきたことを実感。これまでの歴史を振り返れば、新しいテクノロジーの登場によって、従来の仕事が消滅していったという話はいくらでも転がっている。企業法務だけが例外のわけがない。

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2.自分をレアカード化する

このままリーガルテックが進化すると、単に契約書をチェックするだけの企業法務担当者は無用の長物になるかもしれない。従って、企業法務担当者は、環境変化に適応するために危機感をもって自己価値の向上に努めるべきか。私としては、以下のように法務と隣接する専門分野を習得して、自分を希少化するのはどうかな、とも思う。
 
①総務・法務担当者として
総務部門の中に法務担当者が配置されることがあるように、両者は近い関係にある。従って、総務業務に触れる機会は多いはず。法務と総務の両方ができる人材は重宝がられないだろうか。
 
②法務・審査担当者として
いわゆる商社では取引先と信用取引を行うために、与信管理担当(審査担当)を置くことが多い。この与信リスクと法務リスクは密接に関連しており、「法務審査部」あるいは「審査法務部」を設けている商社もまま見かける。契約書だけではなく、決算書も読みこなせる人材は相当レア度は高いはず。
 
③法務・知財担当者として
知的財産担当者は、自社製品の知財リスクを管理するのがメイン業務で、特許権使用許諾契約書や共同研究開発契約書などにおいては、重複することも多い。知財という業務も法務とは違った一面があり、これをマスターすれば希少化は進むだろう。
 
いわゆるITの急速な発達は、産業構造の転換を促してきたが、いよいよ企業法務の分野まで進展してきたようだ。それこそAIに仕事をとられることになりかねない。それを防ぐためには、自分の価値を高めるための努力を続けるしかなさそう。
人工知能とこれからの仕事 ~法律業務AI開発記

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  • 作者:山本 俊
  • カナリアコミュニケーションズ
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