企業法務担当者のビジネスキャリア術

転職経験が豊富な企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【資格】20年ぶりに大阪地方法務局に行ってみた/当時から変わったもの&変わらないもの

先日自社の印鑑証明書を取得するため、大阪地方法務局に出かけてきた。
 
これまで何度か触れているように、私は20代の頃に大阪市内の某零細司法書士事務所に勤務していた時期がある。その後いろいろ事情があって、この業界からは離れることになった。現在は、企業法務担当者という立場上、株主総会や取締役会の事務局担当として司法書士に登記を依頼することがあるぐらい。
 

kigyouhoumu.hatenadiary.com

 

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大阪地方法務局を最後に訪れたのは、もうかれこれ20年以上も前の話。大阪市中央区の地下鉄天満橋駅から歩いてすぐの場所で、当時は頻繁に訪れていた。

 
赤茶色の建物の記憶をたどりに、懐かしく思いながら地下鉄天満橋駅から降りて南に向かう。しかし、法務局前にあるお知らせがあって、非常に驚いた。

 
なんと、大阪地方法務局は昨年1月に別の場所に移転している。知らなかった・・・。ただ、法務局の移転先はそこから十分歩いて行ける距離。

 
まあ、これも良い運動と割り切って、移転先まで歩くことにする。目的地は谷町4丁目から北東に5分ほどの合同庁舎。大阪地方法務局は、このきれいなビルの中に入っているようだ。昔の法務局といえば、陰気で薄暗いイメージだったが・・・。商業登記コーナーはビルの4階。

 
入り口近くの端末で印鑑カードを使って、印鑑証明書の発行を申請する。ただし、すべてがデジタルで完結するのではなく、受領時に登記印紙を別窓口で購入して申請書に貼付しなければならない。事務所勤務時代はさんざん登記印紙を取り扱ったものだが、さすがに20年ぶりなので勝手がわからず、混乱してしまった。用事が終わった後、フロアをブラブラしながら出口に向かったが、当時と変わったもの(=自動受付システムの登場)や変わらないもの(=登記印紙が必要)がなにやら感慨深い。

※一般の企業オフィスみたいな落ち着いた雰囲気で、昔を知る者には驚き。
 
私が勤めていた頃は、まだインターネットによる公開も行われておらず、各地にある法務局で登記事項証明書を交付していた。従って、わざわざ現地の法務局に出かける必要があった、現在はIDさえ取得すれば、インターネットで入手が可能(ただし、今回のような印鑑証明書は別)。
 
法務局の内部も薄暗い雰囲気で、不動産登記の場合、備え付けの申請書に地番や家屋番号を記入して、簿冊を取り寄せて複写する箇所を特定して、事務員に謄本を作成してもらうという超アナログな方法。つまり、登記簿という公文書原本に一般人が触れる機会があったわけで、今思えばすごいシステム。このあたりは金融漫画「ナニワ金融道」でも不正を働く場面があったが、さすがにここまでIT化が進んだ現在ではそのようなことはできない。法務局自体も整理統合が進んで、私が知っていた頃より数は減少している。このように、登記というシステムは、この20年でかなり激変しており、それを職業とする人(司法書士・土地家屋調査士)も大きな影響を受けているのは間違いない。

 

現在の私は、法務コンプライアンス部門のプレイングマネジャーとして、企業法務の仕事に従事しているが、ちょうど20年前は司法書士事務所で資格勉強をしながら、下っ端補助者として近畿圏内の法務局や銀行を行脚していた。もし、あの時に司法書士試験に合格していたら、まず企業法務の道とは全く無縁だったはず。
 
 
当たり前だけれど、当時の私には今の自分の姿は全く想像できなかったわけで、これだから人生とはつくづく面白い。