NHKで毎週金曜日に放送されている「ドキュメント72時間」は、このブログでも何度か取り上げている。
3月3日に放送されたのは、資格受験予備校として名高いLEC東京リーガルマインドで、なんと梅田駅前本校の様子が紹介されていた。この場所は、よく知っている場所。
もうかれこれ20年以上も前の話だが、私は司法書士試験受験講座を受講するために、LEC梅田校に毎週日曜日に通学していた。ただ、この20年間でLEC梅田校は何度か移転しており(一時期はスカイビルにも移転していた)、私の通学当時はもう少し北の中津方面にあったはず。
番組では、司法書士・公務員・不動産鑑定士・社会保険労務士などの受験講座を受講する人々を描いていた。中でも印象的だったのが、LECの受付窓口で公務員試験に合格した女性のすぐ後ろで、現役公務員の男性が弁理士試験の講座申込をしていた場面。男性公務員はインタビュアーの質問に対して弁理士試験に挑戦する理由を詳しく説明しなかったが、現職である公務員になにかしらの不満があるからなのだろう。「資格は決して万能ではない」という一面を表しているようで、なんとも複雑な心境になってしまう。
私が驚いたのは、番組内で司法書士試験の受験生が数多く登場してること(4人ぐらい?)。インタビューでは、当人たちは試験に合格すればバラ色の人生が待っているかのようなイメージを持っている印象で、まるでかつての私のよう。私は20代の頃に受験試験をしながら、司法書士事務所で働いた経験があるので、よく知ってるが、司法書士事務所は零細企業と同じで、給料や保険などの待遇面は一般企業に比べると、それほど優れているわけではない(偶然だが、番組内でも大学卒業後、ブラック法律事務所に就職し、そこから職を転々とした無職女性のインタビューが紹介されていた)。彼らは、このような<リアル>をきちんと理解して受験勉強をしているのだろうか?他人事ながら心配してしまう。
昔はともかく今はインターネットで調べれば、その職業の実態(良い面や悪い面)を垣間見ることができるが、おそらく受講生を一人でも多く獲得したい予備校はこういった事まで積極的に知らせていないだろう。