企業法務担当者のビジネスキャリア術

転職経験が豊富な企業法務担当者がライフログの一環として日々の出来事を記録しています。

【転職】転職先を短期間で離職した知人のエピソード/転職はくれぐれも慎重に・・・・!!

半年ほど前に知った知人(A さん)のエピソード。
 
営業マンであるAさんは前職をある事情で退職し、次の会社であるB社(非上場企業)に同じく営業マンとして転職した。しかし、入社後すぐに参加した営業会議において、B社の業績が急激に悪化していることを知って大ショック。
 

 
「これはマズイ!」と入社3日目にして再度の転職活動を決意したAさん。お世話になった転職エージェントに再び連絡したところ、「え!入社したばかりなのに、もう転職するんですか?」と驚かれたとか。なぜならば、転職者が入社日から短期間で退職した場合、転職エージェントは紹介料の一部を採用会社に返金しなければならないからだ。
 
 
幸い、その後のAさんの転職活動は順調で、B社に入社して3ケ月という短期間で、新しい転職先が見つかって無事にB社を「脱出」できたという。業績不振中のB社内部でも退職者が続出しているようだが、Aさんが在社最短記録(3ケ月)を樹立したらしい。ちなみに、再転職先は上場企業で、開示されている決算情報を確認すると、業績まずまず。「これでようやく一息つけました」と話すAさんだった。
 

Aさんの話は、飲み会のネタにはなるものの、転職活動における一つのリスクといえるかもしれない。特に非上場企業は財務情報が完全に公開されていないため、同じようなことは起こりえるからだ。そこで、Aさんのような事態を避けるためにどうするべきか自分なりに考えてみた。
 
①信用調査会社から信用情報を入手する
例えば、帝国データバンクで販売しているCOSMOS2はA4一枚に企業情報が要約されている信用情報。価格は1,000円ちょっとで購入できる。評点・基本情報・株主構成・役員構成・業績・財務などがコンパクトにまとめられており、スポット取引などの与信判断はこれで十分。与信管理業務経験者ならば日々見慣れたもので、私も毎日のように見る機会がある(以下のリンク先は帝国データバンクのHPで公開されているサンプル例)。
 
 
 
もっとも、信用調査会社の情報は一般ユーザーが簡単に購入できるものではない。ただし、自社の審査部門などにコネがあれば可能だ。そういえば、前職時代に「息子が内定をもらった会社の信用情報を知りたいから、帝国データバンクから調査報告書を買ってくれ」と堂々と頼んでくる営業マネジャーがいたような・・・。
 
②官報サイトで決算書を確認する
Googleで「社名 決算」で検索すると、複数期にわたる決算公告を紹介するサイトにヒットすることがある。大半は貸借対照表で、損益計算書はないことが多い。それでも自己資本比率を確認して、安全性を判断する目安にはなるだろう。
 
③クチコミサイトを参考にする
転職活動における最大の味方の一つがクチコミサイト。類似サービスは多いが、最大手はOpenworkで、私も昨年の転職活動ではフル活用させてもらった。記載項目も「組織体制・社風・ワークライフバランス・企業分析・入社理由・退職検討理由・年収」など充実しており、その会社の内情を知るにはうってつけ。
 
私の場合、「年収」と「退職検討理由」の二点はかなり重要視。ここに評価者の本音があらわれやすいからだ。ワンマン体質の有無や給与水準の高低など会社のブラック度(?)を判断するにはよい材料になる。もちろん、ガセ情報である可能性もあるが、それでもないよりはマシ。実際のところ、昨年の転職活動時にはOpenworkに記載されたクチコミは読んだ時点で「この会社には絶対入社しない方がいいな・・・」と感じた会社にも遭遇している。このように転職時のリスク回避のツールとしては、クチコミサイトは非常に有益。
 
ちなみに、私がAさんに「OpenworkでB社のクチコミを調べなかったのか?」と聞いたところ、B社のクチコミ自体が存在していなかったらしい。確かにそうなると、お手上げか・・・。
 
ちなみに、1年前に転職活動がとうに終わっている私はOpenworkのアカウントを抹消せず、いまだ保有している。それはなぜか?クチコミサイトは、転職時だけではなく、与信管理にも活用できるからだ。先に紹介した帝国データバンクのCOSMOS2や調査報告書は定量情報は豊富だが、こうした内部の定性情報には乏しい。そこで、定量情報(帝国データバンク)と定性情報(Openwork)を組み合わせて、いわばハイブリッド式与信管理を実践中。
 
いずれにせよ、Aさんの場合は結果オーライで済んで良かったけれど、やはり転職は慎重に、という感じだろうか。