前回の続きで、北陸旅行の3日目。
3日目は、富山県の観光名所でもある立山連峰を目指すいわば旅のクライマックス。立山黒部アルペンルートといえば、標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫き、富山と長野を結ぶ世界有数の山岳観光ルート。以前から機会があれば一度訪れてみたいと思っていたが、今回ようやく夢がかなうことに。場所が場所だけにいくつもの交通機関を乗り継ぐ必要があり、事前リサーチは必須となる。
※立山はとにかく遠かった・・・。大阪から行くのは本当に大変。
1.立山を目指してひたすら乗り継ぎ
当日は朝早くに起きてホテルをチェックアウトしてJR高岡駅からJR富山駅に移動する。すぐ近くにある電鉄富山駅(富山地方鉄道)に乗り換えて終点の立山駅を目指す。富山地方鉄道といえば、映画「RAILWAYS」にも登場しており、重要な役回り。
※定年間近の運転士とその妻の絆を描いたなかなかの感動作。
※撮影はしていないが、関西で運行されていた京阪電車の車両を発見して興奮。
まず、電鉄富山駅の窓口で立山黒部アルペンルートきっぷ(出発前に自宅であらかじめWEB予約していたもの)を受け取る。これ一枚で立山駅と大観峰を往復できる便利な切符だ。
※大阪出発日の二日前に予約した切符。
今回のルートは立山から長野県側に抜けるのではなく、途中の大観峰というスポットまで行ってから往復するというもの。それでも電車・ケーブルカー・バス・トローリーバスを乗り継ぐので、電鉄富山駅から片道3時間も要する大変な行程(以下の公式サイトを見てほしい)。従って、朝早くに出発は必須。
というわけで、電鉄富山から富山地方鉄道に乗って約50分で立山駅(マップ①)に到着。そしてケーブルカーに乗り換えて10分ほどで美女平(マップ②)まで登る。
美女平(標高977m)からはバスに乗り換えてさらに上を目指すが、次の発車時刻まで時間があったので、二階に登って展示物を見たり、屋上でぶらぶらと時間をつぶす。そうこうしているうちに霧が出てくる。前日の雨のせいだろうか?
※11月末で運行終了するトローリーバス目当ての人も多かったかも。
※美女平付近をぶらぶらと散策。バスがピストン輸送で室堂と往復していた。
※ケーブルカー駅の二階にて。あたりは静かなもの。
さて、乗車時刻になったので、バスに乗車して弥陀ヶ原(マップ③)を経由して室堂(マップ④)を目指してひたすら蛇行しながら登っていく。最初は森林の間を縫うように進むが、突然見晴らしが良くなった。途中で槍ヶ岳も見えるなど、どんどん景色が変わっていくのが面白い。
※バスはぐいんぐいんと蛇行しながら進む。慣れてないと酔いそう・・・。
※バスは要所要所で一時停止してくれる。
※バスに乗って雲海と並走するなんて人生初体験!
※撮影に失敗したが、槍ヶ岳はあちらの方角。
2.ラストランのトローリーバス
そして、遂に室堂(標高2450m)に到着。大半の観光客はここで降りていたが、私たちの本当の目的は、トローリーバス(架線式バスで国内唯一残存する)に乗ってさらに東の大観峰(マップ⑤)に向かう事だ。実は、2024年11月末でトローリーバスの運行が終了し、電気自動車に切り替わるという。そこで、乗り物好きの息子の依頼でここまで足を延ばすことにしたわけ。というわけで室堂からトローリーバスに乗車してトンネル内をバスの乗って移動する。
※ほぼ最後尾から動画を撮影。行きは空いていたが、帰りは激混み。
そうして遂に大観峰(マップ⑤)に到着。その場所の名前のとおり、そこには周囲には立山連峰が広がり、眼下には黒部ダムが広がる大絶景が待っていた。大阪からははるばるこうして訪れたかと思うと感無量・・・。大観峰からは黒部ダムを経由して長野方面に向かうケーブルカーが運行されていたが、私たちはそれには乗らずにここで引き返すことに。
※空とダムの湖水が青いこと。静寂な空間にたたずめば、そこはもう別世界。
さて、帰りの時間があるので、あまりのんびりもできない。30分ほどたむろしてから室堂方面に向かう帰りのトローリーバスに再び乗車する。
※帰りは二列目に乗車してスマホで動画撮影。
※乗車後にもらった乗車記念カード。
3.天空の大地 室堂を散策
さて、室堂に戻ってきた私たち。室堂は山々に囲まれた盆地のような場所でホテルや山小屋が存在する。みくりが池(マップ⑥)や地獄谷(マップ⑦)を巡りつつ、時間をかけて付近を散策。雲が眼下に広がっているこの広々とした空間はまるで別世界のようだ。
※バスが美女平との間を行ったり来たり・・。
※自然に配慮してすのこのような道が舗装されている。
※はるかかなたの雲海を眺めて。
※周囲を山々で囲まれた別世界。登山道具は持参していないため、登山はパス。
※みくりが池などの池が点在している。
※地獄谷からは火山性ガス(たまごの腐ったような硫黄の臭い)が噴出していた。
室堂に滞在したのは2時間ぐらいだろうか。大自然のすごさを体感した私たちだが、帰りも片道3時間かける必要があるため、あまり長居ができないのが残念。せめて思い出代わりに写真や動画を記録したのが救い。また訪れた時期は11月上旬でタイミングも良かった。もう少し遅れていたらオフシーズンに突入して雪で観光どころではなかっただろう。
富山駅から往復6時間かける価値のある立山黒部アルペンルート。見る者を圧倒する大絶景は都会に住んでいる者にとってちょっとしたカルチャーショック。さて、この日は富山駅まで戻ってから最後に富山城周辺を散策したが、その模様は次回に。