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「交渉、紛争、事件の処理は、抽象的・論理的な教科書と違って、独創的・現実的・個別的な解決しかありえない。」これはまさしくそのとおりだ。私も日々、社内クライアントからの依頼で様々な法務案件を受任しているが、当たり前のことながら当事者も取引も全く同じ内容がリピートして依頼されるということは全くない。当事者・取引内容・問題箇所などは案件毎に本当に様々であり、様々な要因が複雑に絡み合うため、臨機応変に頭を切り替えて対応策を導き出す必要があるのだ。そのためには、前回使用したフレームワークをいったんリセットした上(もちろん使える部分は活用するが)、その問題に対応しなければならない。企業法務の仕事は単純類型化できないといわれるゆえんはこのような所にあるのだろう。
「オプションが多ければ多いほどビジネス交渉では優位にたつことができる。そしてオプションは組織的・体系的・連続的に発想せよ。」これも名言だ。企業法務担当者は、法務案件に関する対応策をできる限り数多く立案して、そのメリット・デメリット・コストなどを社内クライアントに提示した上、どれを選択するかを一緒に考えなければならない。そうして、数多くのオプションから自社にとって最も優位となるオプションを選択するのだ。このように、企業法務担当者には、バランス感覚に富んだ多面的・多角的思考が求められると思う。 このように本書は、企業法務担当者のみならずビジネスパーソンが自らの思考スタイルを磨くために有意義な1冊だと考える。私も繰り返して再読したい。 「人気ブログランキング」参加中です!1クリックお願いします!

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