現在放映中の大河ドラマの「真田丸」は、大阪の陣に突入し、いよいよクライマックスを迎えつつある。以前にコーエーのシミュレーションゲームの「信長の野望 創造withパワーアップキット」について触れたかと思う。
今年の3月には、その派生的作品である「信長の野望 創造 戦国立志伝」が発売されている。ただし、大河ドラマの放映に合わせて無理して発売したためか、その直後には強制終了やフリーズが起きるなどのバグが発生したらしく、Amazonのレビューでは酷評のオンパレード・・・。
その後、3回の大型アップデートを経てだいぶ安定したらしいという情報を入手したので、ダウンロード版(PS Vita)を購入してみた。先に紹介したように、発売直後はユーザからの辛口批評が多かった本作だが、シリーズ最高傑作といわれる「信長の野望 創造 with パワーアップキット」をベースにしているため、もともと遊び勝手は非常に良い。内政・戦闘・外交などの根幹的なシステムは同じなので、前作経験者ならば、特に違和感なくプレイできる。
これまでの「信長の野望」シリーズは、君主でしかプレイしかできなかったが、本作ではシリーズ史上初めて一人の武将としてプレイができるのが最大の特徴。具体的には、一代官からスタートして、勲功を積み重ねていくことによって城代・城主・軍団長というように出世を目指していく。場合によっては、独立して一大名に成り上がるという究極の「下克上プレイ」も可能だ。
また、大河ドラマ「真田丸」を意識しているためか、戦国時代を締めくくる1964年の「大阪の陣」のシナリオが新しく追加されている。私も早速、真田幸村でプレイしたが、戦国伝(小目標が設定されたイベントのようなもの)が続き、内政を行う暇もなく、徳川軍との合戦の連続。もちろん、大阪城の南に築城された出城「真田丸」での戦いもきちんと収録されている。
史実では、豊臣家は「大阪の陣」において徳川家に負けて、滅亡している。そのため、本シナリオにおける豊臣陣営の難易度はそれなりに高めだが、何度か粘り強くトライすると、最終的には徳川家康と秀忠を敗死せしめることができるという「歴史のif」を発生させることができる。この場合、大阪城五人衆は生き残り、幸村は信濃の真田信之のもとに帰参することになる。しかし、幸村が帰参したためか、真田家は、周囲の国とは敵対関係になってしまい、真田家は集中攻撃を受けてあっという間に攻め滅ぼされてしまった。
このように、初プレイはバッドエンドとなってしまったが、本作品は歴史ファンにとってかなり楽しめるシミュレーションゲームとなっている。幸村以外に立花宗茂・黒田官兵衛・石田三成・直江兼続など私の好きな武将でもプレイしてみようと思っている。また、2017年の大河ドラマである「おんな城主 直虎」の主人公である井伊直虎(徳川四天王である井伊直政の養母)をプレイヤーキャラクターに選択することもできるので、しばらくの間、じっくりと遊べそうだ。