4月から5月にかけては出会いの季節ということもあり、仕事やプライベートを問わず様々な人と初対面で会って、自己紹介をする機会が多い。その際、「法務とはどのようなお仕事なのですか?」と聞かれることがある。例えば、「営業」「人事」「経理」「研究開発」などは、聞いた人はその仕事についておおよそのイメージを作り上げることはできるだろう。
しかし、「法務」は、まだまだ知名度は低いためか、「それはどのようなお仕事なんでしょうか?」とさらに突っ込んだ質問を受けることがある。このような場合、「契約書を作成・審査したり、社内の人間からの法律相談に対応したり、知的財産権の保護をしたり、社内向け研修をしたり、コンプライアンス体制を構築したり・・・」と長々と説明すると余計ややこしくなる。
そこで、まず一言目に「わかりやすく言うと、社内弁護士のような仕事をしております」とシンプルに答える。その時点で聞き手には一種のイメージが出来上がる。そして、「具体的に説明すると・・・」というように主な具体例を示すと、相手はスムーズに理解してくれることが多い。もちろん、私は弁護士資格は持っていないが、それに近い仕事をしているのは事実だし、決してウソではない。もちろん、「もっとも、弁護士資格は持っていませんけどね」と最後に付け加えるのは忘れない。
私の周囲には、本当に弁護士資格を有していて、企業内弁護士として働いている人はいるが、それを除けば仕事の関係で企業に勤める弁護士という人物にはお会いしたことはない。ただ、企業法務系の雑誌やブログなどを読むと、法務部門に勤務している限り、現在の私と遜色ない仕事をしているようだ。
もちろん、弁護士資格がなければできない仕事はあるが(訴訟案件など)、長年にわたって企業法務を仕事に従事していると、法務部門に勤める企業法務担当者にとって、法曹資格の有無は必ずしも重要ではなく、実務経験に裏打ちされたビジネスパーソンとしての専門スキル&ヒューマンスキル等がより大切のような気がする。