企業法務担当者のビジネスキャリア術

氷河期世代の企業法務担当者がライフログとして日々の出来事を記録しています。2009年に開始したブログは16年目を迎えました。

【書評】「国際取引契約実務マニュアル」日商岩井株式会社 法務・リスクマネジメント部(中央経済社)

ここのところ、自社標準契約書の英文売買契約書の作成に取り組んでいる。その作業で非常に役立っているのが本書である。 1.本書の構成   Ⅰ.本書記載の契約書の概要   Ⅱ.CHECKLIST, TERM SHEETの使い方   Ⅲ.CHECKLISTおよび各契約パターンの解説   Ⅳ.CHECKLIST   Ⅴ.TERM SHEET   Ⅵ.SAMPLE契約書 2.本書の感想  本書は、日商岩井株式会社の法務部員が執筆したものである。本書は、条項ごとの英文・和文・解説という構成をとっている英文契約書本とは、確実に一線を画している。すなわち、CHECKLISTやTERM SHEETといった英文契約書の起案・審査に役立つツールが充実しているからだ。これによって、英文契約書に取り組む際のポイントを見失わずに済み、モレがなくなるというメリットがある(以前の記事に契約審査チェックリストを取り上げたが、そのきっかけとなったのが本書である)。惜しむらくは、解説されている契約類型が、①Sale and Purchase Agreement、②Distributorship Agreement、③Agency Agreementの3パターンのみというところなのだが…。おそらく、日商岩井(現:双日)の法務部門には、このような充実したツールが揃っているのだろう。うらやましいことだ。 ともあれ、日本を代表する商社の法務ノウハウが凝縮されている本書は、実践仕様の実務書である。英文契約ノウハウを習得したい方にはオススメだ。ただ、初心者の方がいきなり本書に取り組んでも力はつきにくいので、以下の書籍を利用するなどして基礎的な英文契約書知識を習得してから本書に取り組むことをお勧めする。 blogram投票ボタン 1クリックお願いします!